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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第三章 〜心の在処〜
その十二
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 虹だけではなく、濡れた地面や木の葉が日に照らされ、きらきらと輝いていた。それはまるで、今、本当の家族になった三人を祝福しているかのようだった。


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「おう、お帰り」

 芙蓉家の玄関。帰宅した三人を柳哉が出迎えた。

「悪いな、留守番させちまって」

「今さらだろう? あ、風呂沸いてるから入りな」

「あ、ありがとうございます」

 そんな会話を交わしていると、

「あ、帰って来たっス!」

「稟様、楓さん、リムちゃん、お帰りなさい」

「っていうか稟ちゃんもリムちゃんもびしょ濡れじゃない!」

「早くお風呂に入らないと風邪引いちゃうよ」

「では稟さんとプリムラさんが一緒にお風呂に……まままぁ♪」

「濡れ髪のプリムラちゃん……これもまた良しって何をすうわばっ」

「はいはい、セクハラ魔人はさっさとしまっちゃうのですよー」

 なんかぞろぞろ出てきた。ちなみに上からシア、ネリネ、亜沙、桜、カレハ、樹、麻弓の順である。

「……えーと、何でいるんだ?」

「いや、亜沙先輩から電話が掛かってきてな? で、ちょっとばかり事情を話したら……こんなことになった」

 柳哉にとっても流石に予想外だったのだろう。若干汗をかいている。

「……おじさん達は?」

「帰ったぞ。それで伝言を預かってる。『プリムラの事、くれぐれもよろしく頼む』だそうだ」

「そっか……」

「……その様子だと、問題ないようだな」

「ああ。心配かけたな」

 それには答えず、柳哉は小さく笑った。

「じゃ、とっとと着替えてきな。これでお前が風邪でも引いて寝込んだりしたらプリムラは自分を責めかねないぞ?」

 それに、と続ける。

「寄ってたかって着替えさせられる、ってのは流石にまずいだろう?」

「……そうだな」

 実際、この面々ならやりかねない。主に亜沙とか麻弓とか。シアやネリネ、楓に桜などは顔を赤くしながら見そうだし、カレハに至っては妄想をどこまでも暴走させるだろう。そしてそれを止めるのは柳哉でも無理だ。男にとって、暴走する女性の集団ほど厄介なものはそう無いだろう。

「それじゃ、後はよろしく頼む」

「はいよ」

 そう言って稟は自室へ着替えに行った。ちなみにその間、女性陣は誰がプリムラを風呂に入れるかで争っていた。見かねた柳哉が隙を見てプリムラに一人で入るように言い、女性陣に気付かれないように風呂に送り出した。それによって柳哉は女性陣から盛大なブーイングを受けることになるのは余談。


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