第二百四十九話 全土に道と港をその十三
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「ほんまにな」
「政にかける金のことはな」
「そや、いつも黒字なんてや」
「なりはしない」
「家やとそうなってもな」
個人のそれではというのだ。
「まだな」
「そちらも何かと出ていくがな」
「貯金も思う様には出来ん」
「そうだな、それでもまだ家庭では貯まることもある」
「貯金して節約してな」
「だが国はな」
こちらはというと。
「そうおいそれとはだ」
「節約してもな」
「金は増えない」
兎角あればあるだけ使いなくとも使わなければならないというのだ。
「だから俺達幕府もだ」
「金ないわ」
「宵越しの銭は持たないではなくな」
「あればあるだけ使わなあかん」
「さもないと国は動かないからな」
「政はな」
「だからだ」
まさにその為にというのだ。
「幕府は常に金がない」
「今も蝦夷の掌握と内政にかなり使ってるわ」
「そうしてるからな」
だからだというのだ。
「とてもだ」
「幕府の財政は火の車や」
「そう言っていいな」
「ほんまな」
耕平は笑って話した。
「金庫は空のままや」
「少しでもあればいい位だ」
「そうした状況やな」
「だがそれが国の財政の基本だな」
「そう思うことやな」
「それが事実だからな」
それ故にというのだ。
「このことはだ」
「もうしゃあないな」
「むしろやることがないなぞな」
それこそというのだ。
「有り得ないことだからな」
「政はな」
「だからだ」
「もうそれは当然としてな」
「やっていく、無駄には使わないが」
「そういうもんやとな」
「わかってやっていく」
国庫を使っていくというのだ。
「そういうことでな」
「政では金がない」
「あればあるだけ使うものとな」
「割り切ってやってくな」
「そうしていく、今もこれからもな」
こう言って実際にだった。
英雄は金も使っていった、そうして蝦夷でも多くの銭を使っていった。幕府の政はさらに続いていっていた。
第二百四十九話 完
2022・3・8
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