暁 〜小説投稿サイト〜
ハッピークローバー
第二十三話 安売りだったのでその五

[8]前話 [2]次話
「お金もものもね」
「すぐになくなるっていうのね」
「贅沢なんかしたら」 
 それこそというのだ。
「何でもあっという間になくなるから」
「それで、でしょ」
「お金もものもね」
「少しずつよね」
「使わないとね」
「じゃあティッシュ配ってたら貰うわね」
「ただでしょ」
 母に当然という口調で返した。
「だったら貰わないとね」
「損っていうのね」
「ただ程いいものないじゃない」
 こうも言うのだった。
「そうでしょ」
「それはそうね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「ティッシュ配ってたら」
「貰うわね」
「それで鞄の中に入れて」
「いざって時に使うわね」
「そうするわ」 
 母にここでも当然という口調で返した。
「それが悪いの?」
「悪くないわ、けれどその考えがね」
「大阪のおばちゃんなの」
「あんたもね」
「私もおばさんだったのね」
「大阪の女の子はもう生まれた時からよ」
 その時点からというのだ。
「おばさんで性著するにつれてね」
「どうなるの?」
「おばさんのレベルが上がっていくのよ」
「最初からおばさんだからなの」
「ええ、かな恵ちゃんもあんたもね」
「富美子達もなの」
「勿論よ、皆徐々にね」
 成長していきというのだ。
「おばさんのレベルを上げていくのよ」
「そんなものだったのね、じゃあ」
 一華はさらに言った。
「私達やがては厚化粧でパーマして」
「豹柄の服着るのね」
「飴玉も持ってね」
 これもというのだ。
「そうなるのかしら」
「あんたそもそも飴玉好きでしょ」
「ええ」
 母にはっきりと答えた。
「特にフルーツ味がね」
「だったらもう飴のことはね」
「そうなってるの」
「後はいつも持ち歩くだけよ」
「そうなの」
「ただパーマとか豹柄はね」
 大阪の中年以上の女性のトレードマークとされているこうしたものはというのだ、ただこういったことはあくまでイメージであろう。誰もがそうした外見ではない。
「絶対とはね」
「限らないのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「豹柄まではね」
「お母さんも言わないの」
「そうよ、ただあんた達はもうね」
「おばさんなのね」
「そのことは覚えておいてね」
「かな恵だけじゃないのね」
「道でたこ焼きやお好み焼きも食べるでしょ」
 このことも言ってきた。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ