第二十三話 安売りだったのでその四
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「それじゃあね」
「そういうことでね」
「ええ、しかし一華も変わったわね」
「そうだな」
父は母の今の言葉に笑顔で応えた、二人は今もビールを飲んでいる。
「高校に入ってさらにな」
「そうなったわね」
「大人になったということだな」
「その分ね」
「ついこの前まで子供だったのに」
「それが身体にも気を使う様になってね」
その為ワインを飲む様にもなってというのだ。
「本当にね」
「変わったな」
「ええ、それでね」
「大人になっていくんだな」
「いや、健康に気をつけないと」
さもないと、とだ。一華は今度はトマトを食べつつ話した。
「身体壊して大変なことになるから」
「それでなの」
「かな恵そういうことに詳しいでしょ」
ここでまた彼女の名前を出した。
「お料理得意だし」
「あの娘は昔からそうだな」
父もそれはと頷いて答えた。
「お料理好きでな」
「得意でね」
「そっちの知識も豊富なんだな」
「それで健康のこともね」
食べてのこともというのだ。
「よくね」
「言ってるんだな」
「そうなの、正直ためになるわ」
ホルモンを食べつつ話した。
「健康のことだから」
「それはいいな」
「ええ、ただね」
「ただ、どうしたんだ」
「何かかな恵高校に入ってから」
それからというのだ。
「妙におばさんっぽいのよ」
「それは誰でもでしょ」
母が当然と言ってきた。
「大阪の女の子ならね」
「そうなの」
「あんた達学校は神戸でもね」
「住んでるの大阪だしね」
「西淀川でしょ」
「ええ、まさに大阪ね」
大阪市内である、このことは紛れもない事実だ。一華も他の四人も大阪のこの団地で生まれ育っている。
「そうよね」
「それでなの」
「大阪の女の子はね」
「おばさんなの」
「大阪のおばちゃんなのよ」
「それでかな恵もなの」
「おばさん臭いっていうのもね」
一華が言うこのこともというのだ。
「当然なのよ」
「そうなの」
「そう言うあんたもね」
今度は娘である彼女に言ってきた。
「結構よ」
「おばさん臭い?」
「お酒入れるそれもね」
「そうなの」
「色々節約も考えてるでしょ」
「だってケチケチしないと」
さもないと、とだ。一華は言葉を返した。
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