第二章
[8]前話
「寝かせたらな」
「いいのね」
「そうだ、むしろよく寝ないとな」
さもないと、というのだ。
「駄目だからな、だから寝ていてもな」
「どうかって思わないことね」
「むしろいいことだってな」
その様にというのだ。
「思ってな」
「そうしてなのね」
「見ていくことだ」
「そうなのね」
「親だからな」
「私達はふわりの」
「ふわりのことをよく知って」
娘である彼女をというのだ。
「そして育てるべきだろ」
「そうよね」
「俺達はあいつ等とは違うんだ」
ふわりのかつての飼い主達とはというのだ。
「あいつ等はふわりを可愛がって一緒にいたんじゃない」
「ふわりはおもちゃでしかなかったわね」
「だからふわりのことを全くな」
それこそというのだ。
「知らなかったんだ」
「もっと言えば知ろうとしなかったのかしら」
「そうだ、そんな連中と違うからな」
自分達はというのだ。
「ふわりそれに犬のことをよく知ってな」
「育てていくべきね」
「親なんだからな、だからよく寝ることもな」
ふわりもっと犬がそうであることをというのだ。
「知ってな」
「そのうえで」
「やっていくことだ」
「そういうことね」
「ああ、それじゃあな」
「これからも」
「ふわりをよく寝かせていくぞ」
身体を動かさせて食べさせてというのだ。
「そうしていくぞ」
「わかったわ」
由里子は夫の言葉に頷いた、そうしてだった。
ふわりが寝ている姿を見た、そしてその姿を見て自然と笑顔になった。そのうえで彼女が寝たいだけ寝かせた。
よく寝てこそ 完
2022・5・25
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