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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第三章 〜心の在処〜
その十一
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その通りだったということだ。
「もう一度作ろうとしたって絶対に出来やしねえ、替えの利かない実験体だ」
一体この人達は何を言っているのか。なぜそんなことを繰り返せるのか。胸をつく感情。しかしそれは今まで真剣に向き合ってこなかった自分の愚かさゆえなのだろうか。
「……」
無言の稟。
「おい、稟」
「あ、ああ」
柳哉に小突かれ、我に返る。
「大丈夫か?」
「ああ、なんとか」
「そうか、それじゃあ……」
そう言って稟から視線を外す。稟もつられてそちらを向くと、
「……」
同じく無言の楓。しかし、稟とは違い小さく震えている。心なしか顔も青褪めているようだ。無理もないだろう。稟と違って楓は女性であり、母となる資質を持っている。それ故に、人工的に命を作り出した、という今までの話には本能的に拒否反応が出るのかもしれない。
「抱きしめてやりな」
「ああ」
そうして楓を抱きしめる稟。そのまましばらくして、どうにか震えが収まった楓が顔を上げる。
「大丈夫か?」
「はい、ありがとうございました」
まだ少し顔が青いものの気丈に応える楓。
(柳がいてくれて良かった)
もし自分だけだったら楓の異変に気付けなかったかもしれない。感謝を込めた視線を送ると、柳哉が小さく笑った。それを見て居住まいを正す。そして自分の両頬を同時に張る。思った以上に大きな音が出た。あとけっこう痛い。
「り、稟君?」
「あ、ああ、大丈夫だ」
(ちょっとやりすぎたか……でも)
気合は、充分に入った。
(よし!)
「すみませんでした。続けてください」
そう言って神王と魔王に向き合う稟。その姿を見て両王は目を細めた。まるで息子の成長を見る父親のように。
「稟ちゃん。作り出された、ということが何を意味するかわかるかい?」
「……普通の生まれじゃないってことくらいしか……」
「いや、それでいい。半分は正解だよ」
そう言ってチラリと柳哉を見る魔王。意図を察したのか柳哉が口を開く。
「ようするに、遺伝学上の“親”と呼ばれる個体を持たない、ということだ」
「そう、つまりプリムラには両親がいない。親の愛情を知らない。替えのない実験体である彼女が気安く外に出られるわけもない。友人などいよう筈もない」
結果として感情というものを知らずに育ってしまった。だからこそ表情も変えられない。いや、そもそも変え方を知らない。
「プリムラが知っているものはただ一つ。唯一の家族とも言える存在。あの子にとっての姉……二号体」
「つまり、彼女が……」
「そう……リコリス。常に無口、無表情だったプリムラも、彼女
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