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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第三章 〜心の在処〜
その九
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 そして翌日。

「うう〜」

「……生きてるか?」

「……多分、どうにか、生きてるッス……」

 机に突っ伏したまま稟の問い掛けに答えるシア。そこへいつものメンバーも加わる。

「災難だったな」

「うう〜……こういうのを“厄日”っていうのかな……?」

 シアの返答に苦笑する柳哉。シアがそこまで言う理由は三つ程ある。一つ目は、今日の一時限目に提出するはずだった課題を家に忘れてきてしまったこと。明日ちゃんと持ってくるように、ということでどうにか収まった。まあこれはいい。二つ目はというと、一時限目の世界史の授業で当てられ、自信満々で答えたのはいいが、その答えがおもいっきり的外れのものだった、というものだ。これはかなり恥ずかしい。クラスメイト達はシアを気遣って笑ったりはしなかったが、それがかえってシアのダメージとなってしまった。そして三つ目。二時限目の英語の授業の際にも当てられ、名誉挽回、汚名返上とばかりにこれも自信満々で答えたはいいが、これもまた的外れのものだった。これによってクラス全体に妙な空気が蔓延してしまい、恥ずかしさといたたまれなさから、現在机に突っ伏しているというわけだ。ちなみに現在は二時限目と三時限目の合間の休み時間だ。

「はあ……次の授業が憂鬱ッス……」

「あの、シアちゃん。次の授業は自習だそうですよ?」

「あ、そうなのですか?」

 楓と麻弓が話していると、教室の扉が開き、撫子が姿を現す。

「知ってる奴もいるだろうが、三時限目は自習になる。で、課題があるからな。きちんとやっておくように」

 それだけを告げ、撫子は教室から出て行った。

「ほら、いつまでもいじけてないで、さっさと済ませよう」

「分からない所は教えますから」

「……うん」

 柳哉とネリネの言葉に顔を上げるシア。それと同時に三時限目開始のチャイムが鳴った。


          *     *     *     *     *     *


「終わったッスー!」

「おめでとうございます、シアちゃん」

「お疲れ」

 どうやら持ち直したらしいシアを見て安堵するネリネと柳哉。二人ともシアのサポートに就きながら自分の課題をシアとほぼ同時に終わらせていた。ちなみに楓は稟と麻弓に、そして樹はクラスの女子の間を行き来しながらサポートしている。その際、さりげなく肩に手を置くなどしているあたりは流石というべきか。

「やっぱり異世界の歴史とか言語とかには抵抗があるか?」

「うーん……っていうか他の国の言葉なんか覚えなくてもいいじゃない」

 翻訳魔法もあるし。そう言いたいのだろう。

「まあ確かにそうだが……でも、いざ魔法が使えない、なんてことになった時のために
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