第五十二話 夏になる前にその九
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「昨日大金持ちだった人がだ」
「一文無しになったのね」
「株で失敗したり犯罪がばれてな」
「それでなのね」
「そんなのは本当に常だからな」
「今羽振りがよくてもね」
母も話した。
「ずっとそうはいかないわ」
「お母さんもそう言うのね」
「商店街だってそうでしょ」
「昔は賑やかでも」
「今は寂れてるところばかりでしょ」
「東京でもね」
「駅前なんか特にでしょ」
昔はそこにあるだけで経営が成り立っていたがというのだ。
「それがでしょ。テレビだってね」
「今じゃテレビは嘘ばっかりで面白い番組もないし」
「昔はキャスターも年五億だったのよ」
「それは凄いわね」
「それだけ貰っていたのが」
それがというのだ。
「もうそれだけはとてもね」
「出ないのね」
「咲もさっき言ったけれど嘘ばかり吐いているのがわかって」
報道だのと言ってだ、従軍慰安婦でもそうであった。ある報道番組はダイオキシン報道で取り返しのつかない誤報を行っている。
「それで責任取らないから」
「しかも面白い番組ないし」
「だからね」
「もう皆観ないわね」
「それでスポンサーも離れてね」
視聴者がいないそして番組の内容が酷くスポンサー自体に抗議が直接届いてだ。
「そうなってよ」
「今じゃ落ち目ね」
「物凄い勢いでね」
「昔は凄かったのに」
「商店街もテレビも永遠と思われていたのよ」
「ずっとあって栄えてるってなのね」
「思われていたけれど」
それがというのだ。
「今ではね」
「どっちも落ち目ね」
「そうなっているから」
「お父さんの言う通り絶対ってないのね」
「そうよ、だから幾らお金や地位や権力があっても」
そうした相手でもというのだ。
「それで選んだら駄目よ」
「そうしたものはなくなるから」
「けれど人格、人徳はなくならないから」
「そうしたものを見るべきね」
「お母さんもそう思うわ」
こう娘に話した。
「お金がなくても働かなくてお酒やギャンブルばかりの人も駄目だけれど」
「あっても人格が駄目な人なのね」
「同じだから」
「結婚したら駄目ってことね」
「そう、悪い人は絶対に捕まるから」
このことは明らかだというのだ。
「世の中人もお天道様も見ているから」
「悪事は報いを受けるのね」
「悪いことをしてお金を儲けてもね」
例えそうしてもというのだ。
「偉くなってもね」
「何時かはその悪いことが明るみに出て」
「そしてね」
「捕まったりするのね」
「そうよ、奢る平家は久しからずっていうけれど」
母はこの言葉も出した。
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