第47話 =はじまりの街と教会=
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死と隣
り合わせになる場所で適応できているキリトやアスナ、俺たちのような例の方が絶対に少ない。事実、攻略組の7割くらいは大
人だ。
サーシャさんも一応このゲームに適応、クリアを目指そうとしたらしいのだがある日、街の一角で子供たちを見つけて他にもい
ると思ったらいても立ってもいられなくなり気づいたら大勢の子供たちとの生活が始まったらしい。
「……すごいな…」
「そんなことないですよ…私は先にドロップアウトしちゃったのが皆さんに申し訳なくて…」
「申し訳ないとか思わないでください!」
いきなりシリカが声を上げた。それに引き続きサチも口を開く。
「シリカの言うとおりです。サーシャさんは立派に戦ってます」
その言葉にサーシャさんは礼を言い、話を続けた。彼女はどうやら子供たちを見つけた日から今までの2年間、ずっと毎日1エリ
アずつすべての建物を見て周ってるらしいのだがユイのような子供がいればすぐに気がつくらしい。
「残念ですけど…はじまりの街で暮らしてた子じゃないと思います」
「そうですか…」
「……そういえば…聞いていいですか?」
ユカが断りを入れてサーシャさんが了承したので話を続けるとどうやら毎日の生活費のことについてらしい。これにも快く答え
てくれてどうやらこの辺りでは絶対に安全な年長の子供プレイヤーがいて、その分お金を稼げているから生活していけると言っ
ていた。
「その分…目をつけられているんですけどね…」
「え…誰に?」
「それは……「サーシャ先生!!大変だよ!!」こら!お客様も失礼じゃないの!」
「それどころじゃないんだよ!!」
先ほど、キリトに詰め寄っていた少年が涙を目に浮かべて必死に訴えている。奥を見ると泣いている子もいるらしい。
「ギン兄たちが軍のやつらに捕まっちゃったんだよ!」
「――場所は!?」
先ほどとは別人のようにサーシャさんが少年に訊ねる。どうやら場所は道具屋の裏の空き地でそこで軍の兵士が子供相手にブロ
ックを展開しているらしい。
「わかった、すぐ行くわ!……すみませんがお話は…」
「…俺たちも行くぞ!」
「もちろんです!」
「行かない、なんて言ってたらぶっ飛ばしてたわよ」
とシリカとリズがやる気満々だ。
「で、でも…」
「気にしないでください、サーシャさん」
「これが凛々の自由…よね?」
ユカの口にした《凛々の自由》の名前にハテナを浮かべたサーシャさんだったがこの説明は後でもいいだろう。まずは向かうのが先決だ。
「兄ちゃんの武器も貸してくれよ!あれがあれば軍の連中もすぐに逃げ出すよ!」
などとこの子供たちも大切な仲間を守りたい、という気持ちがヒシヒシと
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