第47話 =はじまりの街と教会=
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たのだ。家族と離れ離れになるなんて普通考えないし考えたくもない。
「きっとユイは俺たちのこともずっと覚えてて遊びに来るさ」
「リクヤ君?」
「そうじゃなくても俺たちが会いにいけばいいさ」
「…ありがと。慰められちゃったね」
「どういたしましてっと。…教会ってあれか?」
どうやらもう目の前まで来ていたらしい。俺が教会を知らないだけかもしれないが扉から結構でかい。その扉をノックしてみる
も反応はなく、仕方がないので扉を少し開き上半身だけぞろぞろと入るがそれでも反応どころか人影すら見つからない。
「あのー!どなたかいらっしゃいませんかー!」
「………反応なし、ね」
「誰もいないんですかね」
その疑問に答える前にキリトが索敵を発動させていたらしく口を開き人がいる方向とその人数まで答えていた。まだ俺の熟練度
は最近800を迎えたところだからキリトのような芸当は出来ない。正直この修行は地味すぎて疲れるから時々サボってしまうん
だけど…と、考えているとアスナとユカがさらに1歩踏み出した。
「あのー!人を捜しているのですが!」
今度はさっきよりも大きな声でユカが尋ねる。すると、右手の方にあるドアがわずかに開きそこから、か細い女性の声が聞こえ
てくる。
「……《軍》の人じゃないんですか?」
「違いますよ。私たち…上の層から来たんです」
ちょっとの時間が経つとその少し開いた扉の向こうから1人の女性プレイヤーがおずおずと姿を現した。暗青色のショートヘア
で黒緑の大きな眼鏡をかけ、その奥の瞳はいっぱいに見開いているが怯えを孕んでいるのがよくわかる。
「………本当に《軍》の徴税隊でじゃないんですね…?」
「えぇ。いきなりで信じてもらえる、とは思っていませんが…。私たち、人を捜していて今さっき上から来たばかりなんです」
「上から!?ってことは本物の剣士なのかよ!?」
ユカが安心させるように笑顔をその人に見せる。この姉妹、社交性高すぎだろ…と感心しているとおくからドタバタと足音が聞
こえこちらへ数人の人影が駆け出してくるのがわかる。正直、いきなりのことで全員ぽかんとしているか驚いているかだがそん
なことを気にせずに俺たちの元へと集まってくる子供たち。
「こら、あんたたち!部屋に隠れてなさいって言ったじゃない」
だがしかし、聞く耳を持とうとしない。
「なんだよ、剣の一本も持ってないじゃん。ねえあんた、上から来たんだろ?武器くらい持ってないのかよ?」
「い、いや、ないことはないけど」
キリトはいきなり話しかけられ戸惑っている。奥さんとは真反対だな。だが、対応をするとぱっと子供たちの顔が輝き見せて見せてと言い募る。武器を見せてほしいとい
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