暁 〜小説投稿サイト〜
白犬の思い出
第二章

[8]前話
 彼は一家の前を後にした、その背中を見送ってからだった。妻はリードを持っている夫に対して話した。
「凄く懐かしむ」
「そんな風だったね」
「シロを見てね」
「そうだったね、その人それぞれでね」
 それでとだ、夫は妻に話した。
「思い出があって」
「犬にもなのね」
「そうだね、じゃあ僕達も」
「これからシロと一緒にいて」
「沢山の思い出を作っていくね」
「そうなるわね」
「僕もだよね」 
 息子も言ってきた、今もシロの傍にいる。
「そうだね」
「そうだよ、シロと一緒にいて」
「沢山いい思いをしてね」
「それが思い出になるからな」
「ずっと皆で大事にしていくのよ」
「うん、そうするよ」
 息子は笑顔で応えた、そうしてだった。
 一家で散歩を楽しんでそれから家に帰るとシロにご飯をあげた。シロはそのご飯をとても美味しそうに食べた。
 そして後日。
 また休日一家でシロの散歩に出ているとだった。
 先日会って話をした男の人がだった。
 驚く位に奇麗な女性と歩いていた、その女性の手にはリードがあり。  
 リードの先には一匹の白い柴犬がいた、そして。
 男がだ、一家に会釈をしてから話した。
「雄でサブっていいます」
「それでは」
「ええ、その子を見てです」
「それで、ですね」
「うちのと話しまして」
 その美人を見ながら話した、長い黒髪は艶やかで背は高く胸もかなりある。
「それでこいつ迎えてです」
「家族に迎えられたんですね」
「そうしました」
「そうですか、では」
「こいつとずっと一緒にいます」
 笑顔で言ってだった。
 彼は彼の一家での散歩を再会した、そしてだった。
 彼等と別れてからだ、夫は妻に話した。
「シロと僕達を見て」
「思い出に浸って」
「そうしてまただね」
「家族を迎えたのね」
「そうだね、ただお話を聞くと」
「名前も同じだし」
「あの子はあの人が前に飼っていたっていう」
 夫は妻に話した。
「その子の生まれ変わりかも知れないね」
「そうね、そんな気もするわね」
「生まれ変わってまたね」
「思い出を作っていくのね」
「そうかも知れないね、じゃあ」
「ええ、私達もね」
「これからもシロと一緒にいて思い出を作って」
 そうしてというのだ。
「そしてね」
「シロが生まれ変わったら」
「またね」
「思い出を作っていきましょう」
「それじゃあね」
 夫婦でこうした話をしてだった。
 息子そしてシロと共に散歩を続けた、それがまた心地よい幸せになるのだった。


白犬の思い出   完


                   2022・5・23
[8]前話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ