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ウルトラマンカイナ
女傑編 ウルトラバークファイト
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ないその濃厚な香りに、運転手の隊員はごくりと生唾を飲み込んでいる――。

 ◇

 ――追跡開始から、約10分。
 イヴァンナが指揮を取るBURKアルマータは主砲を連射しながら、不安定な山岳地帯を全速力で爆走している。その指揮官仕様車に続くイヴァンナの部下達も、キル星人達のアジトを破壊した火力特化仕様車の主砲を、恐竜戦車の背後に叩き込んでいた。

 だが、山を崩すほどの威力を持つ砲弾を立て続けに浴びても、恐竜戦車は全く止まる気配がない。琴乃もハッチから身を乗り出してBURKガンを撃ち込んでいるのだが、まるで効いていなかった。
 火力特化仕様のBURKアルマータによる集中砲火を以てしても、この怪獣を駆逐するには足りないというのか。その光景を目にした琴乃はBURKガンを握ったまま、悔しげに唇を噛み締めている。

「……ダメだ、イヴァンナ! BURKアルマータの戦車隊だけでは、奴を倒せる火力には届かないぞ! なんとか増援が到着するまで、奴を食い止めねば……!」
「その必要はありません。……準備は既に整っております」
「な、なに……!?」

 だが、三角木馬状の戦車長席に座しているイヴァンナは、一切動じることなく車内の通信機を手に取り、「合図」を発信していた。
 次の瞬間――自動操縦(オートパイロット)によって飛来して来た3機のBURK製航空機が、BURKアルマータの頭上に現れる。

「あれはBURKビートルと……各国支部の試作兵器!? この日本支部にも回されていたのか!」
「……さっすがは梨々子(りりこ)のパパ、綾川(あやかわ)司令官ね! なかなか太っ腹じゃないっ!」

 「凶暴怪獣」アーストロンを撃破した実績もある、メタリックイエローとシルバーを基調とする日本支部の新型戦闘機「BURKビートル」。
 両翼部のレーザー砲と、シルバーを基調とする全長18mのボディを特徴とする、アメリカ支部の新型戦闘機「BURKイーグル」。
 そして全長38.5mにも及ぶ深緑のボディを持ち、機体下面に搭載された強力な対怪獣爆弾を最大の武器とする、中国支部の最新大型爆撃機「BURK爆龍(バオロン)」。

 実戦配備されて間も無いBURKビートルだけでなく、試作段階であるはずのBURKイーグルとBURK爆龍までもが今、琴乃達の真上を飛行しているのだ。BURK日本支部の綾川司令官が、彼女達のためにと事前に各国支部と交渉し、手配していたのである。
 琴乃達の「力」が最も発揮される条件。その全てを揃えて来たイヴァンナは、彼女達にむっちりとした巨尻を向けたまま、不敵な笑みを浮かべていた。

「布石はすでに打ってある、ということです。……試作段階での実戦投入など褒められた手段ではありませんが、そんなことを気にするあなた達ではないのでしょ
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