女傑編 ウルトラバークファイト
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下ろしている彼女は、素早くグリップの後ろにあるエネルギー弾倉を再装填していた。
「おのれッ……地球人の雌豚共がッ! こうなればもう一度全員ひっ捕らえて、2度と逆らえなくなるまで徹底的に嬲り尽くして――がはぁあッ!?」
「皆様、急ぎましょう! あの怪獣の始末は、私達が脱出した後ですッ!」
「……そうね、今はここを出るのが先決だわ。行くわよ皆ッ!」
白く柔らかなEカップの乳房と、戦闘服の上からでもはっきりと形が分かる豊穣な巨尻は、エレーヌが引き金を引く度にその反動で何度もぷるぷると弾んでいた。張り詰めた胸元の谷間からは、しとどに汗ばんでいる彼女の甘い匂いがふわりと広がっている。だが、その芳醇な汗の香りに惑わされたキル星人の兵士達は、女だと侮る暇もなく眉間を撃ち抜かれていた。
彼女の言葉に背を押されたアメリアと凛風は、白衣をはためかせてさらに地上へと駆け上がって行く。一方――琴乃は、恐竜戦車の禍々しい姿により険しい表情を浮かべていた。
(……恐竜戦車、か。6年前はウルトラマンカイナに頼るしかなかった我々だが……あの時とは違うぞッ!)
ウルトラマンカイナと共に地球に現れた彼の怪獣は、6年間にも渡る戦争の象徴とも言える存在。琴乃にとっては、因縁の相手でもあるのだ。
――やがて琴乃達が地下秘密基地の外へと脱出し、陽の光に照らされる場所まで辿り着いた瞬間。キル星人達の潜伏先となっていた山岳は、彼らと恐竜戦車を丸ごと押し潰すように崩落してしまうのだった。
琴乃達の無事が確認された瞬間、BURKによる「本気」の砲撃が始まったのである。山すら突き崩すほどの砲弾を叩き込まれた山岳の崩落は、凄まじい轟音を天に響かせていた。
「やった……! さすがにあの大きさの山で生き埋めにして仕舞えば、恐竜戦車でもイチコロですねっ! 任務完了ですっ!」
「……あぁ、そのようだな」
琴乃様を無事に救出し、キル星人のアジトも恐竜戦車もろとも壊滅させることが出来た。作戦は大成功と言ったところだろう。
その成果を目の当たりにしたエレーヌは、溌剌とした笑顔でガッツポーズを決めている。素肌の上に白衣を羽織っている琴乃達も、ほっと胸を撫で下ろしていた。
「……!? ねぇ見て、あれッ!」
「な、なんだと……!?」
だが、その時――崩落した山の中から、なんと恐竜戦車が咆哮を上げて這い出て来たのだ。大量の岩石を掻き分けるように顔を覗かせて来た怪獣の姿に、琴乃達は思わず目を見張る。
「あれで死んでなかったっていうの……!? いえ、むしろ目覚めさせてしまったのかしら……!」
「とにかく、迅速に奴を倒さねば市街に甚大な被害が出てしまうぞッ! 6年前の二の舞だけはなんとしても、なんとしても阻止せねばッ……!」
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