女傑編 ウルトラバークファイト
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配備を急ぎ過ぎてしまいましたが……その甲斐はあったようですわね。ここからは、我がイギリス支部に任せてくださいまし』
恐竜戦車を追跡しているイヴァンナのBURKアルマータから、その位置情報のデータを受信した彼女は、確実に怪獣を葬れる「正義の矢」を放とうとしていたのである。琴乃の問い掛けに頷くオリヴィアは、深窓の令嬢の如き穏やかな微笑を浮かべていた。
一歩踏み出す度にぷるんと揺れる巨尻と、歳不相応に実っているFカップの巨乳。その膨らみをありのままに主張させている新型戦闘服を纏った彼女は、甘い匂いを振り撒く金髪を優雅に靡かせている。
白く扇情的な彼女の肉体から醸成される甘美な芳香には、艦内の女性乗組員達もごくりと生唾を飲み込んでいた。16歳とは到底思えない完成された色香は、部下達を瞬く間に虜にしている。
「うふふっ……では、栄光ある乗組員の皆様。BURKイギリス支部の誇りに賭けて、優雅に美しく……憎き仇敵を骨も残さず殲滅すると致しましょうか」
やがて――艶やかなブロンドのロングヘアと、Fカップの豊満な果実を弾ませて。全ての準備を整えた彼女は淑やかに右手を掲げると、乗組員達に攻撃の開始を命じる。
「……目標、恐竜戦車ッ! 対地殺獣ミサイル全門斉射ッ、撃ぇぇぇえッ!」
華やかでありながらも、勇ましく凛としているその叫びが、艦内に反響する瞬間。BURKハイドランジャーに搭載されている、対怪獣用の対地ミサイルが全ての発射口から射出された。
発射口を包む猛煙を突き破り、天高く飛び上がるその無数の弾頭は、怪獣の外皮硬度を研究し尽くしたイギリス支部が、確実にその防壁を貫くために開発した必殺兵器なのだ。
鋭い矢の如き弾頭は怪獣の頑強な外皮をも容易く貫き、その内側から粉々に対象を粉砕するのである。
「……! おぉっ……!」
「恐竜戦車が……!」
――それは、ウルトラマンカイナを一度は撃退した恐竜戦車といえども、例外ではない。
内部機構が剥き出しになっている箇所へ、無数の鋭利な弾頭の豪雨を浴びせられた恐竜戦車は。その弾頭内の爆薬を全て「体内」で起爆され――「内側」から跡形もなく消し飛ばされてしまったのである。
まさしく、オリヴィアの宣言通り。骨も残さないほどの、徹底的な「殲滅」であった。
琴乃が「あの日」から積み重ねて来た6年間が、ついに実を結んだのである。
その瞬間を目の当たりにしたBURKアルマータの戦車隊は、事件の収束を悟り静かに停車する。3機の航空兵器も、その近くへと着陸して行くのだった。
「……終わりましたね、琴乃。我々人類はもう、ウルトラマンに縋るだけの弱い生き物ではない。今日の戦いはきっと、それを証明するための試練だった
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