女傑編 ウルトラバークファイト
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撃音が天を衝き。97cmもの爆尻をばるんっと弾ませた凛風の絶叫と、呼応するかの如く。その弾頭が勢いよく、恐竜戦車に直撃するのだった。
天を衝くほどの激しい爆炎が広がる直前に操縦桿を引き上げた3人の愛機は、それぞれ3方向へと離脱して行く。しかし、まだ終わってはいない。
「ちッ……さすがはウルトラマンカイナを負かした怪獣ね! そこらの怪獣なら、今の1発で骨も残らないのにッ……!」
BURK爆龍の爆撃により、恐竜戦車は「満身創痍」となっている。だが、まだ倒れてはいなかったのだ。
レーザー掃射と爆撃により外皮を吹き飛ばされた恐竜戦車は、あらゆる箇所の内部機構が剥き出しにされている。そのような状態になりながらも前進を続けている姿は、さながら生ける屍のようであった。
サイボーグ怪獣故の尋常ならざるタフネスを目の当たりにした凛風は、白くむっちりとした爆尻をぷるぷると震わせながら、悔しげに舌打ちしている。それは、対怪獣爆弾の威力を知る琴乃とアメリアも同様であった。
「ええいッ……何という頑強さだ、確かに効いているはずだというのにッ! こうなれば、もう一度総攻撃を――」
「――その必要はありませんよ、琴乃。奴を確実に仕留められるデータは、すでに揃っています」
「なんだと……!? イヴァンナ、どういうことだ!?」
だが、それでも全く焦っていない者が居た。イヴァンナだ。
彼女がBURKアルマータのコンピュータで、何らかの「データ」を送信した瞬間。各機に搭載されている通信機から、聞き慣れた仲間の声が響いて来る。
「……オリヴィア。怪獣の位置及び移動速度のデータを送信しました。後はよろしくお願い致します」
『情報提供、感謝しますわイヴァンナ様。不躾な侵略者の皆様には、この地球を攻め落とすことなど不可能であることを……その身を以て理解して頂きましょう』
その穏やかで気品に溢れた声色は、まさしくオリヴィアのものだった。山岳地帯から遥か遠方――東京湾付近の「海上」に居る彼女は今、新型潜水艦「BURKハイドランジャー」の艦長として、その指揮を取っているのだ。
全長は約50m、潜行時の最高速度は26ノットを凌ぐというイギリス支部の最新兵器。海上に現れているその鈍色の船体は今、燦々とした陽射しを浴びて眩い輝きを放っていた。船体の各部にある無数の「発射口」が、その殺意を鋭利に研ぎ澄ましている。
「オリヴィア……!? まさか、『BURKハイドランジャー』がもう完成したのか!? あらゆる怪獣を一撃で粉砕し得るという、あの新型潜水艦が……!」
『ご名答ですわ、琴乃様。あなた様が提供してくださった6年間の戦闘データを基に、研鑽を重ねて開発したBURKイギリス支部最強の巡航ミサイル潜水艦「BURKハイドランジャー」。少々実戦
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