女傑編 ウルトラビートルファイト
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アーストロンが森林地帯を抜けてしまう可能性もある。それで市街地に被害が及ぶようなことになれば、本末転倒だ。
「……私なら大丈夫です! 琴乃さん、アメリアさん、凛風さん……戦ってください!」
「……! あやめ……」
「私、信じてますから! BURK最強の皆さんなら……絶対、勝ってくれるって!」
その葛藤を抱える3人の背に、凛々しい声を掛けたのは――あやめだった。スケッチブックとクーカを強く抱き締めながら、勇ましい表情で自分達を見つめている彼女の眼に、琴乃達はハッとした表情を浮かべる。
「……ふっ。どうやら今度は、この私が彼女に教えられてしまったようだな。アメリア、凛風! 急降下攻撃で一気に奴を仕留めるぞッ!」
「オッケー! あやめ、しっかり掴まってなさいッ!」
「私達が、最っ高にカッコいい画を見せてあげるわッ!」
「……はいッ! お願いしますッ!」
やがてBURK隊員として、戦乙女としての貌に戻った彼女達は、意を決したように各席の操縦桿を握り締めていた。もはや、迷いはない。
「……おおぉおおーッ!」
琴乃の操縦によって急上昇したBURKビートルは遥か天空で宙返りすると、そのまま一気に急降下して行く。
その凄まじい風切り音から「敵」の接近を感知したアーストロンは、真上に向かってマグマ光線を放つが――琴乃が操るBURKビートルの機体は、その悉くを紙一重で回避していた。
「無駄だアーストロン、お前のデータはすでに分かり切っているッ! アメリア、頼むぞッ!」
「任せなさいッ!」
無数の熱線を巧みにかわしながら、急降下を続けるBURKビートル。その機体の前翼部に搭載されているレーザー砲が、一気に火を噴いた。
射手を担当するアメリアの正確無比な狙いにより、そのレーザーはアーストロンの一角を焼き切り、怪獣の全身を隈無く撃ち抜いていく。悲鳴を上げてのたうち回る凶暴怪獣は、すでに瀕死となっていた。
「凛風、奴にとどめだッ! 急上昇の瞬間に仕掛けるぞ、タイミングを合わせられるかッ!?」
「当然よ、この私を誰だと思ってるのッ!」
だが、まだ油断は出来ない。最後の最後まで、攻撃の手を緩めないのがBURKの基本戦術なのだ。
地表に激突する寸前のところで一気に操縦桿を引き戻し、BURKビートルの機体を上昇させる瞬間。凛風の操作によって機体下部から投下された爆弾が、倒れたアーストロンの大顎に直撃する。
「……決まった!」
そして。戦況を見守っていたクーカが声を上げるのと同時に、空高く舞い上がったBURKビートルがアーストロンを背にした瞬間。
凶暴怪獣は爆発四散し、跡形もなく消し飛んで行くのだった。
「アーストロン、完全に沈黙……私達の勝利だな」
「よぉおしっ、今日もパー
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