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ウルトラマンカイナ
女傑編 ウルトラビートルファイト
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たよりよっぽどまともなこと言ってるわね、この子」
「お前達、少しは彼女を見習ったらどうなんだ。……各支部最強の名が泣くぞ、全く」
「やれやれ……やっぱりカラダだけのお子ちゃまだよ、お前らは……」

 あくまで「普段のお仕事」を描くのが目的なのだから無理に魅せる必要はない。そうせずとも民間人の読み手には新鮮に伝わるのだから、飾らず自然体でいて欲しい。
 その旨を語るあやめの言葉に嘆息するアメリアと凛風は、なんとも言えない表情を浮かべていた。そしてそんな2人に、琴乃とクーカが深々とため息をついた――その時。

「……!? あれはッ!」

 森林地帯を彩る深緑の木々が、大地を迫り上げる「何か」に薙ぎ倒され始めたのである。その光景を目にした琴乃が声を上げた瞬間、地を裂く轟音と激しい土埃と共に――「何か」がそこから這い出て来た。

「琴乃、あれってまさか……!?」
「くそッ、よりによってこんな時に……!」

 地中から突如出現したその「何か」とは――「凶暴怪獣」の異名を取る、アーストロンだったのである。長らく地中で眠っていた怪獣が、この地で目覚めてしまったのだ。

 この次元の宇宙において、最凶最悪と恐れられてきたテンペラー軍団が、6人のウルトラ戦士とBURKによって倒されてから約半年。
 地球の戦力に恐れをなした外宇宙の異星人達は、そのほとんどがすでに侵略を諦めるようになっていたのだが。それ以前から地球に潜んでいた異星人や怪獣達は、今も地球に残ったままとなっているのだ。このアーストロンも、その内の1体なのである。

「あれは凶暴怪獣アーストロン……! こんなところで眠り続けてたっていうの!? あぁもうっ、こっちにはあやめが居るっていうのにっ……!」
「おいおい、早速俺の出番になっちまうのかよッ!」

 こうした個体が突如出現しては暴れ出すという事件はさほど珍しくもなく、その度にBURKが対処に当たっているのだが――今回はよりによって、民間人のあやめが同行している状況なのだ。
 最悪のタイミングで怪獣と遭遇してしまったことに、凛風とクーカは悔しげな表情を浮かべる。

 普段なら即座に攻撃を仕掛けているところなのだが、あやめを危険に晒すわけにもいかない。
 それにアーストロンには、その大顎から吐き出す「マグマ光線」という、強力な飛び道具もあるのだ。万一撃墜されるようなことがあれば、あやめを死なせてしまうことにもなりかねない。

「琴乃、速く奴を倒してしまわないと街に被害が出るわ! 前翼部のレーザー砲を使うわよ!?」
「待て、あやめを一旦安全な場所に降ろすのが先だ! 私は機長として、彼女を戦闘に巻き込むわけには……!」
「私達だってそうしたいわよっ! でもっ……!」

 だが手をこまねいていては、暴走している
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