第三章
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「おかしな人がいるのよ」
「そうなの」
「偏った思想の団体があってしかも悪事が隠される世界だから」
「あんな人達がいるのね」
「コネでおかしな人達がなってね」
「そうなのね」
「それであの先生達どうなったの？」
母にこのことを尋ねた。
「それで」
「三人共先生辞めてここにも住めなくなったら」
「そうなったのね」
「引っ越して今はお隣は誰もいないわ」
「お顔も名前も全部わかってるから表社会では生きていけないわね」
胡桃は冷たい目で言った。
「これまでの悪事の報いを死ぬまで受けるといいわ」
「きついわね」
「それだけの連中だったのよ、それであの猫はね」
「一家が警察に捕まった時にあの子も新しい子も保護されたわ」
「それでお母さんが引き取ってね」
「今ここにいるわ」
「ニャア〜〜〜」
「ウニャ〜〜〜」
見ればあのトラ猫にだった。
白くて垂れ耳の猫も来た、胡桃は二匹共見て話した。
「白い子も可愛がられていたけれど」
「大人になったらね」
「ああなっていたわね」
「そうよね」
「学校の先生はああした人達がなりやすくてね」
「大手を振って歩けるのね」
「そうよ、けれどあの人達は報いを受け続けるから」
インターネットで悪事も個人情報も全部出たからというのだ。
「もうね」
「二度とペットを飼えなくて」
「表社会にはいられないわ」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
それでというのだ。
「この子達はね」
「お母さんが家族になったから」
「安心よ、それで名前は何ていうの？」
「トラの子はケンにして白い子は女の子で垂れ耳だからミミーにしたの」
「そうなのね」
「二匹共同じご飯をあげて同じ様に可愛がっていくわ」
「そうしてあげてね」
「ええ、ずっとね」
母は娘に約束した、そしてだった。
夫の橘大柄でしっかりした身体の年齢を感じさせない彼娘の夫である羽生優斗きりっとした美形の彼と将棋を打っているところで声をかけた。
「後で二匹と遊びましょう」
「ああ、そうしような」
夫も笑顔で応えた。
「どっちの子とも」
「そうしてあげましょう」
「贔屓はいけないですよね」
娘の夫も言ってきた。
「人も猫も」
「そうよ、そして家族になったらね」
胡桃は自分の夫にも言った。
「ずっとね」
「愛情を注がないとね」
「外見じゃなくて」
「心を見てね」
そのうえでと話してだった。
二人でなく娘夫婦も入れて二匹と遊んだ、公平に遊んでもらえて二匹共とても嬉しそうに喉を鳴らした。
だから教師になった 完
２０２２・５・２３
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