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おっちょこちょいのかよちゃん
214 仲間がいなくなれば
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は貴様の杖、そしてネロやアンヌ王妃などを倒したという女の護符だ。貴様が目的地に着くには私も貴様を奪いやすくなるという事だ。それから最後はあの少年が奪っていった剣も直ぐに取り返す」
「わ、私は負けないし、絶対に渡しもしないよ!それから杉山君やりえちゃんも取り返すよ!!」
「やれるものならやってみるがよい。貴様の仲間がいなくなったら一人でも私を倒せるかな?貴様自身の杖を守り抜けるかな?」
「え?」
「そのおっちょこちょいで一度貴様は杖を奪われているであろう?」
 かよ子は思い出した。杖を奪われた時、それは以前、異世界から善人を装った入鹿という人物に騙されて杖を奪われた時である。
「知ってるの?」
「この事は赤軍の長・重信房子を通して私の耳に届いているのだ。あの時は貴様一人では出し抜かれている。仲間の加勢で何とか取り返せたのだ。だが、今いる貴様の仲間がいなくなり、倒されたら、一人でおっちょこちょいをするだろうな」
「お、おっちょこちょいなんかしないよ!!」
「威勢のいい小娘だ・・・」
 男が遠ざかっていく。同時にかよ子も意識を失っていく。

「はあ、はあ・・・、はっ!」
 かよ子は起きた。空は既に暗くなっていた。
「山田、大丈夫だったか?」
 大野がいた。
「私は・・・?」
 かよ子は状況が整理できずにいた。
「お主はシャルル・リゴーとの戦いで杖を盗られまいと羽根から飛び降りたのだ。それを親分や鳥橋のり子の人形で救われたのだが、同時に意識を失っていたのだ」
 石松が説明した。
「わ、私、そんなことを・・・」
 かよ子は杖を奪われたくないが為に無茶な事をしていた事を思い出した。
「ご、ごめん、皆に迷惑かけて・・・」
 かよ子は謝罪した。
「気にするでない。もう夕食時であろう今日はここで休むがよい」
「う、うん・・・」
 かよ子は夢の中に出てきた男を思い出す。あの男は確か・・・。
(そうだ、あの時、赤軍の人と一緒にいて、杉山君を取り込んだって言う・・・!!)
 かよ子は杉山を取り込んだ男と聞いてピンと来た。
(じゃあ、あれが戦争を正義としている世界の支配者・・・!!じゃあ、今度杉山君と会うなら危険な事になるの・・・!?)
 かよ子は落ち着かなくなるのであった。

 雪山から移動型民族のように集団が降りて来る。
「茂様の『スケート』、凄くお上手でしたわね!」
 元気いっぱいの性格の遊女が少年に話しかける。
「いやあ、それ程でも〜」
 少年は非常に照れていた。
「その茂様のお嫁になる人もきっとその格好いい姿を見られましたらきっと一目惚れ間違いありませんよ」
 落ち着いた性格の遊女も言う。
(『あの子』か・・・。来てくれるかな?)
 少年はそう信じていた。
「そうだ、身体も冷えましたでしょう。
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