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SAO<風を操る剣士>
第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第三章 成長
第24話 風
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このスキルが……
「「う〜ん」」
 ウィンドウを見た後、二人で横になりながらも考えていたが、結局は考え付かないので俺は違う話題を振ることにした。
 あんな事あった後だから、シリカが寝る前に気の休まる話をさせる事が目当てだ。
 …そうだな〜。さっきシリカの年齢について考えたし、誕生日の話あたりで良いか…

「なぁ、シリカ」
 俺が、隣で寝袋に横になっているシリカの方を向き、名前を呼ぶとシリカはこちらを向いて、
「はい? もしかしてどうして出たか、分かったんですか?」
 と返事を返してくれた。
 …まだ考えてくれてたんだ。本当に良い子だよ、シリカは。
「いや、もうスキルの事は今度考えることにした。それより、寝るまで少し喋らないか?」
「…そうですね。じゃあ、何を話します?」
「そうだな〜……リアルに少し触れるけど、誕生日のことなんかどうだ?」
「それって、『誕生日に何があったか?』とか、そういう事ですか? …良いですよ」
「じゃあ、まずは誕生日が何月何日だか言い合うか」
 …ちなみに俺の誕生日は、7月14日な。

「良いですね。ならシュウさん、あたしの誕生日が来たら、プレゼント買ってくださいね」
「先にプレゼントをお願いするなよ……それで、いつなんだ?」
「あはは、シュウさんの時はあたしがあげますよ……えっとですね、7月14日です」
 ……は?
 俺はシリカの言った日に耳を疑う。
 俺の聞き間違いだよな。
「どうしたんですか、シュウさん?」
「シリカ……もう一度でいいから、もう一回教えてくれない?」
「え、ええ。あたしの誕生日は7月14日です……これで良いんですか?」
 なぬ!? 聞き間違いじゃなかった!?
 と、いう事は……
「…………」
「あの、シュウさん。そろそろ、シュウさんの誕生日も教えてくれませんか?」
 シリカは俺が、誕生日を言うのを待っている。
 ……聞いて驚くなよ…

「……7月14日だよ…」
「……へ!?」
「だから、7月14日! 俺とシリカは同じ誕生日なんだよ!」
「え……え〜〜!?」
 俺だって驚いてるよ。


 その(あと)俺とシリカは、誕生日の事で驚きはしたが、しばらくして驚きも(おさ)まり、そのまま話をしながら一日が終わった。


 …結局、俺のスキルは何で出たんだろうな?
 俺はそんな事を考えながら、眠りについた。









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