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SAO<風を操る剣士>
第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第三章 成長
第24話 風
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スターが現れた少し後ろまで来たいた。
「なっ!!?」
 俺はシリカの位置を確認したら、言葉を失った。
 ……もう一体のモンスターの目の前にシリカがいた…

 しかもモンスターは、すでにシリカに斧を振り下ろそうとしていた。
 今のシリカのHPじゃ、確実に死ぬ!
 シリカもその事に気付いているらしい、でも短剣(ダカー)はまだ鞘に収まったままで、しかも後ろから爆発を受けた為か、スタンして動けないらしい。
「シリカ! 逃げろーー!」
 シリカが動くのは無理だと分かっていても、俺は剣を抜き、《値移行》を使ったダッシュでシリカの元へ向かう。

「シュウさん!」
 シリカが俺に助けを求めるように、目に涙を見せて、動かない体で必死に俺に手を伸ばす。
「シリカーーーーーッ!!」
 俺もシリカの名前を言いながら、必死に走る。
 でも俺とシリカの間の距離が、ほとんど埋まらない内にモンスターは斧を振り下ろし始める。
 そのモンスター振り下ろし始めた姿を見て、俺の世界のすべてがスローになっていく。
 けれども、頭の中は物凄く動いてる。

 なんだ、この感じ!?
 なれない感覚に戸惑いながらも、スローで動くモンスターの斧とシリカの距離。
 そして、シリカと自分との距離。
 その全部が分かり、シリカが攻撃を喰らう前に俺がシリカの元へ着くのが無理だと分かる。

 …俺は、シリカを守れないのか…

 …自分が守ると言った女の子を。

 …自分の事を憧れだと言ってくれた子を。

 …俺の大切な『妹』を。

 …そして俺のSAOでも心の支えとなる人を!

「うぉーーーーッ!!!」
 俺は無理だと…空振りになることを分かっていたが、少しでもモンスターへの距離を埋めようと剣を振った。
(このまま…シリカを助ける事を…)
「…諦めて()まるかァーーッ!!」
 そう叫びながら剣を振ったら、思いもよらない事が起こった。

 俺の剣から、
『ブォーーー』
 という音を出しながら、モンスターに向かって行く……風が起こった…

 風はシリカにスレスレで当たらずに、モンスターに当たる。
 そのままモンスターは『風に斬られながら』後ろへ吹き飛ぶ。
 …シリカに当たらないように風が起こったので、モンスターには(かす)っただけでまだHPは残っているらしい。

「シュ、シュウさん…」
 シリカの驚いたような声に、意識がスローから戻り始める。
「シリカ、大丈夫か!?」
「シュウさん……はい。大丈夫です」
 シリカは俺に手の震えを見せないように、俺に言ってきた。
 怖い思いしたのに強がりやがって…

 その後、シリカのHPを回復させてからモンスターを倒して、地下2階に一つしかない休憩場所に向かった。



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