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「香波 多分 祇園祭り一緒に行く人なんか、まだ、いないんでしょ 今年 宵山に私が連れて行ってあげるからね くるみちゃんなんか、合コンで知り合った人と、お付き合いしてるんですって その人と見に行くって言ってたわよ」
「そーいえば そんなこと言ってたかなー よく 聞いていなかった でも、お付き合い始めた人がいるって」
そして、当日のお昼ご飯を食べた後、浴衣をお母さんに着せてもらった。用意しててくれたんだ。白地にコスモスの花がいっぱい散りばめたもの。もちろん、浴衣も私は、初めてなんだ。燿さんは、紺地に花火のようなもの。
「どうしょうかなー 平安神宮のほうに歩いて行けば、タクシーつかまるから、そうしょっか」と、二人で歩き始めた。「ずーと歩いても良いんだけど、香波は下駄慣れないから、痛くなると困っちゃうからね」と、高島屋の前までタクシーで行った。
すごーい人波で、お正月よりも多いのかもしれない。遠くに見えてきた提灯が並んだ塊。お囃子の音も段々と大きくなってきた。こんなの初めて。ぼーと見とれていると、燿さんが手を繋いできてくれた。
「香波ったら、気づいたら、居ないんだもの 後ろから来ていると思ったら・・迷子にならないように」
「ねぇ お姉ちゃん あの中 女の人っていないんだね」
「うん 女人禁制なのよ 最近は、いいっていう山鉾もあるけどね あの中に入らせてもらえるとこもあるんだけど、それだって、ダメってとこもあるんだよ」
「そうなのー 女ってしいたげられてんだね」
「そう言ってしまえばね もともとは、宗教上の決め事みたいよ 女は不浄だなもんだって 明日ね、巡行って34の山鉾を引っ張って、動かすんだけどね その先頭の長刀鉾に前に出て乗るのがお稚児さんって言ってね 8才から10才の男の子限定なんだけど お金持ちの子じゃぁないとなれないのよ 何千万とかかるみたい」
「へぇー それって 賄賂 払ってなるんですか?」
「ちがうわよ 町内の子供しかなれないしね 町内への寄付とか配りものとかね 衣装だってね」
「じゃぁ 帯屋さんの娘さんじゃぁ駄目なんだ」
「でもね 女の子の場合は 葵祭りってのがあってね そっちの斎王代ってのがあるんだけど、やっぱり、お金かかってね うちなんかじゃぁ無理よ」
「ふーん お姉ちゃん きれいなのに もったいないね」
「ふふっ 香波には弾けそうな健康美があるから、負けるわよ」
「ねぇ お姉ちゃん うちのお店もこんなに人通りの多いとこなら、もっと売れるのにね ワッフルサンド」
「そうねぇ そうしたら、香波なんて もっと忙しくなるわよ 今の10倍は売らなきゃあなんないからね でもね 清水の参道辺りも考えているんだけどね そうなると 香波 店長ね」
「
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