213 戻ってきて欲しい
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いよ!」
「何言ってるんだい?君達は卑怯な藤木君なんて別にいても迷惑かけられるだけだろ?前にもクリスマスの合唱コンクールで歌い遅れて皆に迷惑かけたし、山田かよ子が野良犬に襲われてる所を自分だけ逃げたじゃないか」
「でもだからって、何日もいないと心配じゃないの?」
「別に。藤木君なんて友達でもなんでもないさ。だからどうなっても僕には別に良い事なのさ」
「永沢君、それは少し言い過ぎじゃないのかい!?」
山根も反論した。
「どこがだい?君達も藤木君が卑怯な事をして散々迷惑を掛けられてきたじゃないか」
「それはそうだけど・・・」
「ならむしろいなくていいじゃないか。君達はせいぜいさくら達の心配でもするんだね」
笹山は聞いてるだけで我慢が出来なくなった。
「永沢君、もう藤木君の悪口言わないで!」
笹山は永沢を非難した。
「藤木君の事で一々卑怯とかいなくなってもいいとか、どうしてそんな事しか言えないの?永沢君はいつも藤木君と一緒にいるじゃない!」
「何だよ、笹山まで・・・」
「笹山さん、落ち着いて!」
たまえが笹山を宥めた。
「ええ、ごめんなさい・・・」
笹山は自分の席に戻った。
下校中、たまえととし子は藤木の話をする。
「まるちゃんやかよちゃん達も心配だけど、まず藤木がいなくなったのが心配だよね・・・」
「うん・・・」
その時、反対から見慣れた女性とすれ違う。まる子の母だった。
「あら、たまちゃん、とし子ちゃん、こんにちは」
「こんにちは」
たまえはある事を聞こうとした。
「あの、おばさん、まるちゃん、心配ですね・・・」
「あら、まる子の事心配してくれてるの?ごめんね。あの子ったら本当に面倒臭いとか呑気に言ってたんだからしょうがないわね。お姉ちゃんは行かなきゃいけないって緊張してたのに」
「そうなんですか・・・」
(まるちゃん、大丈夫かな・・・?)
たまえはそう言われて心配になった。
「あ、そうそう、それからおじいちゃんがいなくなっちゃったのよ。警察には届け出はしたけど、もしかしたらまる子とお姉ちゃんが心配になってその異世界とかに行っちゃったんじゃないかって思ってね」
「はあ、そうですか・・・」
たまえもとし子もおそらくその予想は当たっていると察した。
「私達、まるちゃんはきっと戻ってくるって信じてます!」
とし子は答えた。
「ありがとう。まる子が帰ってきたらまた宜しくね」
「はい!」
たまえととし子はまる子の母と別れた。
笹山は下校しながら永沢の藤木を批判する言葉が頭に何度も蘇って来た。
《藤木君のような卑怯者なんかいてもいなくてもどうって事ないだろ?それに僕にはもう藤木君に会う事がないって思うと心底嬉しいのさ》
《卑怯な藤木君なんて別にいても迷惑かけら
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