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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第三章 〜心の在処〜
その七
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ういう扱いを受けてきたと思う?」
「どういう扱いって、そりゃあ大事にされてきたんだろう? おじさん達もそう言ってたし」
「なら、何故プリムラはあそこまで感情表現が希薄なんだ?」
「それは……」
以前神王から聞いた話では『大事にされすぎてあんな風になった』らしい。それを話すと、
「それは無いな」
柳哉は断言した。これは俺の自論だが、と前置きして話し始める。
「そもそも“人間(この場合は神族・魔族・人族の三種族全体を表す)”っていう生き物は皆、感情というものを生まれつき持っている。そして成長していく過程でそれを表現する方法を学んでいく。ここまではいいな?」
頷く稟。
「あんまりこういう表現はしたくないんだが……“普通”に育った場合でも、孤児だったり養子だったりといった“普通じゃない”育ちをした場合でも、程度の差こそあれ、感情を表すことが出来るようになるものだ」
「それって……」
何かに気付いたように言う稟に頷きを返し、続ける。
「そしてそれは“普通じゃない”生まれ方をしている人工生命体も同じ。一号体はただ強化されただけだが、二号体はクローンだ。二号体がどうだったかはもう知ることは出来ないがな」
三号体であるプリムラ。彼女にもちゃんと感情がある。ただそれを上手く表す事が出来ないだけだ。ならば何故、プリムラは感情を上手く表せないのか? それは……
「周囲の環境が、それを許さなかった?」
「おそらくは、な」
肯定する柳哉。だがそこで疑問が生まれる。
「でも神王のおじさんは……」
『大事にされ過ぎた』と言っていた。それならば感情の表し方をちゃんと知っていてもおかしくはない。
「嘘は言ってないだろうな。もしかしたらお二方がいる時だけ大事にされていて、お二方がそれを知らない可能性もある」
「!!」
驚く稟。柳哉も苦い顔だ。
「ま、根拠があるわけでもない。あくまでも可能性の話だ」
「そう、か……」
「それから、これも俺の予想に過ぎないんだがな。一号体はともかく、二号体はプリムラと面識が有ったんじゃないか? もしかしたら友人と呼べる仲だったかもしれない」
有りうる話だ。奇しくも“普通じゃない”生まれ方をした者同士、面識が有ってもおかしくはない。
「でも、もしそうなら……」
柳哉は以前言っていた。『一号体や二号体の結末がプリムラの感情表現の希薄さの理由なのではないか?』と。プリムラは実験体という立場上、周囲にいるのは基本的に研究員ばかり。しかも研究所にいる以上、友人と呼べる存在など皆無と言っていい。もしも二号体が唯一の友人だったなら? その死によって感情を封印してしまう、という事も充分に有りうるだろう
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