暁 〜小説投稿サイト〜
SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第三章 〜心の在処〜
その六
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びっくりした」
「少し、柳君の真似をしてみました」
悪戯っぽく笑う楓。
「……頼むから俺を弄るのを真似るのだけはやめてくれよ」
「うーん。どうしましょうか?」
「楓さん? ちょっと?」
「ふふ、冗談です」
再度“約束”を交わしたあの日以来、楓は少し変わったように思う。相変わらず家事全般などは自分一人で行っているが(プリムラも手伝うが、あくまでもお手伝いのレベル)、時折、こうして稟をからかったりするようになった。若干ではあるものの、良い意味で遠慮が無くなってきた。良い傾向にあると言える。その分、稟の負担が増えたとも言えるが、楓が以前よりずっと良い笑顔をするようになり、それを見られるならいいか、と思っていたりする。柳哉が稟を“底抜けのお人好し”呼ばわりするのも無理はない。
「柳君、“皆のお兄さん”みたいですよね」
「ああ、そうだな」
そんな会話を交わすふたりの視線の先には、ネリネも交えて柳哉と談笑するシアの姿があった。
* * * * * *
その日の夕方。シアは父ユーストマと共に木漏れ日通りの商店街に買い物に来ていた。
「あ、リンちゃん」
「おう、ネリっ娘じゃねえか」
「シアちゃん、神王様、こんにちは。」
同様に買い物に来ていたネリネと遭遇。目的地が近いようなので一緒に行く。
「お? 何だありゃ?」
ユーストマが声を上げる。見ると、何やら小さな人だかりができていた。
「喧嘩か?」
どこか嬉しそうに言うユーストマ。“軍神”と呼ばれるだけあって戦いに関しては興味津々だ。
「お父さん?」
「っと、いけねえいけねえ。買い物に来たんだったよな。だからシア、その椅子を下ろそうな?」
若干汗をかきつつ、椅子を振りかぶっている娘をなだめるユーストマ。ネリネも苦笑い。というかその椅子はどこから調達したのか。
「? あれは……」
ネリネが声を上げると同時に人だかりの中から男が一人飛び出し、そのまま走り去っていった。そしてすぐに集まっていた人達は散らばっていく。
「あの子は……」
人だかりの中心だったと思われる場所には、二人の少女が立っていた。ネリネはそのうちの一人に見覚えがあった。シアと神王に目配せをして歩み寄る。
「菫さん」
その声にこちらを見たのはやはり、水守菫だった。
菫は『ちょっと待ってください』とジェスチャーをして、側にいる少女に何かを話しかけた。すると少女は何度か頭を下げた後、その場を離れて行った。
「こんにちは、ネリネさん。もしかして、見てました?」
「いえ、人だかりから男の人が出てきたとこ
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