第二章
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「だから俺もです」
「うちで活動してくれているな」
「はい」
山中ははっきりした声で答えた。
「そうしています」
「そうだな、それじゃあな」
「今からですね」
「皆を救出するぞ」
中に収容されている生きもの達をというのだ。
こう話して実際にだった。
山中達はプレハブの中に入るとだった。
そこには弱りきった多くの犬や猫や兎、ハムスター達がいた。どの生きものも毛は乱れきっていて不潔極まる環境の中にいた。
それを見てだ、山中は顔を顰めさせた。
「どの子も元繁殖用ですね」
「正体がヤクザ屋さんの悪質ブリーダーのところにいたな」
「そうした子達ですね」
「碌に檻から出されずにな」
それでというのだ。
「子供を作る時だけ出されて」
「汚れた水と粗末なご飯だけ与えられて」
「毛も爪も碌に手入れされないでだ」
「子作り出来なくなるとですね」
「ここで引き取ってな」
「死ぬのを待つだけですね」
「そうだ」
山中に苦い顔で答えた。
「後はな」
「そうですよね」
「これも日本のペット業界の実態だ」
「そうですね、じゃあ今から」
「皆助けて車に入れてな」
「うちで保護して治療をして」
「里親を探すぞ」
こう言ってだった。
彼は山中に話して他のスタッフ達と共に生きもの達の救助にかかった、そこにいる生きもの達全てをだった。
保護して獣医に診てもらって衰弱しきった身体の手当てをして。
毛や爪も切って入浴もさせて身体を奇麗にして不妊や去勢もして里親を探すこととなった、そうしてだった。
六匹の元繁殖用だった猫達を引き取ることになった人は山中から彼等の話を聞いて言った。
「そんな酷いことがですね」
「はい、あるんです」
山中は猫達をその人に渡しながら答えた、雄と雌の白猫が二匹に雄の黒猫が一匹に雌の三毛猫が一匹に雄と雌の白黒の八割れの大きな耳の猫達である。
「悪質なブリーダーや引き取り業者がいて」
「その中にはですね」
「暴力団や関係者もいます」
「そうなんですね」
「ですから注意しないと」
「生きものを飼うにしてもですね」
「そんな人達を儲けさせることにもです」
そうしたことにもというのだ。
「なります」
「そうなんですね」
「ですからくれぐれもです」
「ペットショップやブリーダーにはですね」
「注意して下さい」
「中には悪質な業者もいますか」
「ヤクザ屋さんがやっていたりする」
その様なというのだ。
「お店や個人だったりしますので」
「そうします、それでですが」
「この子達はですね」
「うちは皆好きで七匹までならです」
「大丈夫ですか」
「もう一匹子猫がいるんですが」
里親になる人は山中に話した。
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