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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第111話:折れぬ槍
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ートスコアラーの表情の意味を理解した。どういう原理かは分からないが、彼女の剣は他の剣に対して何らかの特攻を持っている。であるならば、槍である自分なら彼女にとって相性は悪い。

「こいつはアタシに任せろ!! 翼はマリアを安全なところへ!」
「分かった!」

 槍ならばどれだけ攻撃しようと砕かれる事はないと、奏がオートスコアラーにアームドギアを振り下ろす。槍のリーチを活かして縦横無尽に攻撃を繰り出す奏に、オートスコアラーは心底嫌そうな顔をした。やはり槍が相手だと、正体不明な特殊能力が発揮できないらしい。

 このまま押し切るとばかりに奏がアームドギアを大きく振るうと、オートスコアラーはその勢いと風を操り上空に大きく飛び上がった。

「馬鹿が、無防備だ!!」

 空中では身動きも取れまいと、奏は槍投げの要領でアームドギアを投擲しようと構える。

 だがそれよりも早くに、オートスコアラーが取り出した結晶を周囲にばら撒く方が早かった。

 サイコロサイズの中心が赤い結晶が道路にばら撒かれる。その瞬間、結晶を中心に光が放たれると、魔法陣の様なものが広がりそこからノイズが姿を現した。

「あぁ!? そんな。ノイズ!? どうして!?」
「…………ノイズ?」

 マリアは突如姿を現したノイズに慄くが、奏は何か違和感を感じていた。

 姿を現したモノ達は一見すると確かによく知るノイズだ。だがよくよく見ると、奏達が知るノイズとは何かが違っているように見えた。新種と言う線も考えられたが、そもそもノイズはフロンティア事変の折にバビロニアの宝物庫に放り込まれたネフィリムの爆発で全滅した筈だ。その際に同時にノイズを操る為のソロモンの杖も失われた為、ノイズを意のままに操るなど出来ない筈だ。

 では、オートスコアラーが呼び出したとしか思えないこのノイズ共は一体何なのか?

「……まぁいい。こいつら全部倒して、アイツとっちめれば分かる話だ!」

 難しく考える事は後回し。奏と翼は最初驚かされはしたが、諸々の疑問を脇に放り姿を現したノイズの始末に取り掛かった。何よりもこいつらを放置しては、この場で生身のマリアが危険だ。

「おぉぉぉぉっ!」
「はぁぁぁぁっ!」

 奏と翼は蔓延るノイズ達を次々と屠っていく。最初驚きはしたが、戦ってみればなんてことはない。特別強いという事も無く、以前と同じように簡単に倒せてしまう。
 ただ一つ気になる事があるとすれば、倒した瞬間に明らかに炭素の塵とは違う赤い粒子となって崩壊する事だが。

 次々とノイズを倒していく2人を、オートスコアラーは静かに眺めていた。

「貴方達の剣と槍、大人しく殺されてくれると助かります」

「その様な可愛げを!!」
「求める相手が間違ってるんだよ!!」

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