第千九百六十七話 頭を剃ってまで
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第千九百六十七話 頭を剃ってまで
戊辰戦争の最後の時のことです。
幕府方最後の敵将榎本さんが降りましたが。
黒田さんは頭を丸めて政府の人達に言いました。
「どうかこの頭に免じてでごわす」
「榎本さあのお命をでごわすな」
「助けてたもんせ」
こう西郷さんに言うのでした。
「あの人はよか人ばってん」
「戦ってそれがわかったでごわすか」
「はい、お願いしもっそ」
「その心受け取ったでごわす」
西郷さんは黒田さんに笑顔で応えました。
「黒田さあ、お前さあの言う通りにするでごわす」
「そうしてくれるでごわすか」
「昨日の敵は今日の友でごわす」
「だからでごわすか」
「その頭を見ておいどんも心が動いたでごわす」
「確かに。あの人も有能です」
大久保さんも認めることでした。
「死なせるには惜しいですね」
「これからは日本の為に働いてもらうでごわす」
こうしてでした、榎本さんは黒田さんの助命を受けました、そのうえで暫くして新政府に加わるのでした。
第千九百六十七話 完
2022・5・22
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