暁 〜小説投稿サイト〜
IS 転生白書 オリ主が奏でる新しいインフィニット・ストラトス
閑話 ヒロイン達の想い
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きっと知らないだろう。
 アイツは鈍感だから。

 拓夢は言っていた。鈍感には積極的なアピールがなにより欠かせない、と。
 だが、私にそれが出来るのだろうか?
 恥ずかしい。その気持ちが先行して、素直になりきれない。それが、もどかしい。

 だけど拓夢の試合を見て思った。
 アイツは努力することであんなにも輝いている。私もあんな風になれば、一夏に好意をもってもらえるんじゃないだろうか。
 だから、こからは努力しよう。一夏に想いを伝えられるその日まで。

 でも、まだ恥ずかしい。
 せめて今は、これくらいで・・・。


 「あ、・・・ああ。勝ってこい、一夏!」

 飛び出していくその後ろ姿を見つめ、私はそう思った・・・・・・。





 セシリアside

 シャワーノズルから落ちる雫が、雨のようにわたくしの胸を流れる。
 その温かさとは別な何か、それが心の中にくすぶっている。

 「相川、拓夢・・・」

 それは我がライバルの名前。
 見下し続けてきた男の印象を、たった十分程で覆してくれた男。
 強いその心に、なにより負けない力を持っている。
 初心者には思えないほどの卓越した操縦技術。ボクサーとしての勘。
 それだけじゃない、彼の力はそれだけじゃ・・・。
 そんな強い彼に惹かれた。でも、これは恋ではない。
 この、胸を燃やすワクワクする感覚。
 わたくしはこれをライバル心だと思う。

 「織斑、一夏・・・」

 拓夢の次に戦った男。
 彼は拓夢と同じようで、でも全く異なる目をしていた。
 力強い目だ。でも、それだけじゃない。
 とても、温かくて優しい、それでいて大きな力を秘めている瞳。
 その澄んだ輝きの鳶色に、対戦中だというのに心が動いた。
 素敵な瞳。

 いくら負けそうでも、ボロボロになっても諦めない。
 その姿勢にも強く心を打たれた。

 そして、私の気持ちの正体を教えてくれたのは。
 一夏さんが家族を守ると言ったときの表情だ。
 とても言葉じゃ言い表せない。強いだけじゃない、優しいだけじゃない、もっと大きな何かが、その表情には隠れていた。

 それを見て、確信した。

 わたくしは、セシリア・オルコットは、織斑一夏という男性に恋をしてしまったのだと。
 
 「ふふ・・・、楽しいですわ」

 思わず笑みがこぼれる。
 男の事を考えて楽しいなんて、初めて感じた感情が心地よい。

 まずはどう攻めようか。
 そのことを考えながら、夜は更けていった・・・・・・。



 清香side

 はじめは珍しいだけだと思っていた。
 世界で二人だけの男性操縦者。
 その存在はニュースで知っていた。
  
 どんな
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