第四百九十七話 訓練ートレーニングーその十一
[8]前話 [2]次話
「その力をどう使うか」
「そのことをですか」
「見ています」
「人間がどう動くか」
「その人が」
「若しそれを溺れずにですね」
ネモが言ってきた。
「人として使えば」
「いいのです」
日向はネモにも答えた。
「そうすれば。ですが」
「そこで溺れてですね」
「己の好きな様に使い奢り高ぶり」
そうなってというのだ。
「神だと勘違いすれば」
「それで終わりですね」
「人間として」
「それもスサノオが仕掛けることですか」
「ライダーの力は絶大です」
日向はこのことも話した。
「それをどう使うかもです」
「スサノオは見ているんですね」
「そうです、スサノオが仕掛けていることに気付かずとも」
それでもというのだ。
「人は手に入れた力に溺れてはいけません」
「溺れるととですね」
「そこで人としてはです」
「負けているんですね」
「そうなります」
「笑止だ。力は使いこなすものだ」
壇は冷然とかつ傲然として言い放った。
「それに溺れるなぞだ」
「駄目ってことですね」
「今日向さんが言った通りだ」
まさにとだ、壇はネモに答えた。その口調にも表情にも何があろうと動じない強いものが存在していた。
「人は人でありたいならな」
「力にはですね」
「溺れないことだ」
決してというのだ。
「そもそもな」
「僕達も同じで」
「君達の英雄に力にもだ」
「溺れるとですね」
「終わりだ」
「自制心そして理性も持つことだ」
鏡はこう話した。
「要するにな」
「そうしたもので、ですね」
「力を得てもだ」
それでもというのだ。
「抑えることだ、それが出来ないとだ」
「人でなくなる」
「そういうことだ」
「そうですか」
「だからだ」
それ故にとうのだ。
「君達も心しておいてくれ」
「英雄の力も同じですね」
「どんな力でもな」
鏡の口調は変わらなかった。
「そういうことだ」
「力の強弱もあるがどんな力でも気をつけることだ」
花家も言ってきた。
「溺れると同じだ」
「心がないとですね」
「溺れてな」
「それは」
ネモはここで己のことを思い出して言った。
「僕達も心当たりがあります」
「そうだな」
「あの人ですね」
「話は聞いている」
花家はネモ達の彼女との戦いのことにも言及した、彼にとっても他のライダー達にとっても心当たりのあるものだった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ