第四百九十七話 訓練ートレーニングーその十
[8]前話 [2]次話
「傲慢な何かになった」
「そうですか」
「父だが」
それでもとだ、壇は嫌悪感を込めて言った。
「人ではなくなっていた」
「それで何か、ですか」
「傲慢な、な」
「人でも神でもなくて」
「そのどれでもないな」
「何かにですか」
「成り果てていた、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「滅んだ」
「皆さんに倒されて」
「そうなった」
「何ていうか今思えば滑稽だったよ」
パラドは曇った顔で述べた。
「彼はね」
「滑稽ですか」
「そうだったよ」
エレンにその顔のまま答えた。
「神になってつもりで命も何もかもを弄ぶ」
「もうそれは」
「悪だね」
「そうですね」
エレンは無意識のうちに深刻な顔で述べた。
「そうした存在こそ」
「人間は何か」
「そう考えますと」
「そうなったらね」
壇正宗の様になればというのだ。
「終わりだよ」
「人間でなくなって」
「それで勿論神でもなくて」
「滅ぶよ」
そうなるというのだ。
「あいつみたいにね」
「そうなるんですね」
「それはもう誰かに倒されなくても」
それでもというのだ。
「自滅するよ」
「どちらにしても滅びますか」
「そうなるよ、それがわかったよ」
今度は遠い目で述べた。
「あの時の戦いで」
「そうですか」
「だからね」
それでというのだ。
「俺も気をつけているし」
「俺達もですね」
「そうしてくれるかな」
「はい」
ガレスは強い声で答えた。
「そうさせてもらいます」
「誰でも滅びるよ」
パラドは何処か達観した声と目で述べた。
「自分の力に溺れてね」
「命をないがしろにしたら」
「人間でなくなって」
そうしてというのだ。
「そしてね」
「滅びるんですね」
「実際にあいつは滅んだから」
壇正宗、彼はというのだ。
「そして他のそうした奴もね」
「滅んできているんですね」
「そうだよ」
「実はです」
日向が言ってきた。
「これもスサノオの仕掛けです」
「俺達の敵のですか」
「あえて力を。自分のことを悟られない様に渡して」
そうしてとだ、日向はガレスに話した。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ