第三章
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「誰も助けなくて」
「人望を失っていたので」
「自分ではどうしようもないレベルのミスだったので」
「それで、ですね」
「辞職してです」
そうしてというのだ。
「責任を取ったといいますか」
「取らされたんですね」
「そうなりましてそこで不倫して結婚した奥さんとも」
「別れたんですね」
「奥さんに見捨てられて」
そうなってというのだ。
「逃げられました、それで親戚からも」
「縁をですね」
「親戚同士でもそうだったらしくて」
自分の都合で裏切り切り捨ててきたというのだ。
「ですから」
「もう誰からもですねて」
「見捨てられてどうしようもなくなっているそうです」
「そうですか、自業自得ですね」
「そうですね、猫を平気で捨てて」
それまで可愛がっていた猫をというのだ。
「奥さん子供をそうするんですから」
「そんな人だとですね」
「自分が困ったら」
その時はというのだ。
「誰もです」
「助けないですね」
「そうですね、それで今無職で誰も助けてくれない」
「どうしようもない状況ですね」
「そうなっています」
「そうですか」
「はい、今は」
美菜見はスタッフの人に話した、そして。
この日彼女はスタッフの人とミーコの里親になった人の訪問を受けた、そこにミーコも連れて来ていたが。
「元気ですね」
「はい、家族全員で可愛がっていまして」
里親になった人、一家の主婦である中年の女性は美菜見に笑顔で話した。
「特に娘達が」
「可愛がってくれていますか」
「完全に家族の一員です」
「じゃあこれからもですね」
「ずっと可愛がっていきます」
「是非そうして下さい」
「ニャア」
鳴いたミーコの声は明るく毛並みはよかった、その姿を見て美菜見は彼女が里親が言っている通り本当に幸せだとわかった。
そういう奴だとわかった 完
2022・5・21
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