第二章
[8]前話
外出の時は自分の食べものや生活用品の買いものにだった。
ゴローのものも買った、そして彼に食べさせて遊ばせることも考えて実際にそうしたことに興じる姿も見てだった。
自然とだ、彼のことをいつも考える様になり。
「随分と明るくなられましたね」
「はい、ゴローを見て一緒にいますと」
今回はファミレスで鈴木と話した。
「自然とです」
「あの子の世話をして遊んで」
「あの子のことばかり考えてです」
「身体も動かすので」
「自然と鬱病もです」
「治ってきましたか」
「この通り。かなり楽になりました」
こう言うのだった。
「お医者さんが言われるにはアニマルヒーリングですね」
「生きものに癒されてますね」
「はい、この前家の中でちょっと怪我をして獣医さんに診てもらったんですが」
鈴木に微かに笑って話した。
「診てもらう時暴れて大変でした」
「そうでしたか」
「後で聞いたらネットに入れるといいそうで」
「そうしたら暴れないですか」
「暴れてもネットで抑えてくれるので」
だからだというのだ。
「いいそうです」
「そうですか」
「ですから」
それでというのだ。
「今度からは」
「そうされますか」
「はい、そんなこともありますか」
鬱病になっている間は笑っていなかったがだ。
彼は今は笑っていた、そしてだった。
遂にだ、平良の鬱病はかなり治り。
「執筆もですね」
「本格的に再開出来ています」
「かなり早い回復でしたね」
「それが出来たのも」
自宅で鈴木に話した。
「ゴローのお陰です」
「あの子が家族になってくれたので」
「辛くて何時治るかって思っていたら」
「それがですね」
「もうですよ」
思っていたより早かった、本人の偽らざる本音である。
「この通りです」
「本当にすっかりですね」
「よくなりました」
「それで執筆もですね」
「出来ています、どんどん書いていきますから」
「宜しくお願いします」
「ニャンニャン」
二人でこう話しているとだった。
そこにゴローが来た、そうしてだった。
鈴木のところに来て喉を鳴らしてきた、平良はその彼を見て自然と笑顔になって彼の話をはじめた。鈴木もそんな彼等を見て笑顔になり癒しを感じた。
鬱になった時に 完
2022・5・20
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