第一章
[2]次話
お婆さんのビーグル犬
インターネットの保健所に収容され飼い主を探している犬や猫を紹介しているサイトがある。そのサイトの存在を知ってた。
サラリーマンをしている小塚希典三十過ぎで黒髪でそろそろ額が広くなっている垂れ目で細面の彼は妻の菜々緒に話した、背は一七二程で痩せている。
「ちょっと気になる犬がいたんだけれど」
「気になる?」
「うん、近所の保健所にだけれど」
はっきりした顔立ちで睫毛も手足も長く黒髪は伸ばし艶やかに光っている妻に話した。夫より一つ上だがより若く見える。
「ビーグル犬で元繁殖犬で」
「繁殖犬ってペットショップとかで」
「子供を産む犬だよ」
「それでその子犬が商品になるのね」
「そうだよ、もう子供を産めなくなったらしくて」
それでというのだ。
「保健所に出されて今ボランティアの人達がね」
「飼い主を募集してるのね」
「犬がいたら番犬にもなるし」
夫は妻に話した。
「それに智明の兄弟にもなるし」
「そうね」
妻は歩ける様になったばかりの二人の息子も見た。
「それじゃあね」
「ちょっと保健所に行こう」
「わかったわ」
妻も頷いてだった。
そうして息子を連れて車で保健所に行くとだった。
保健所の人が二人に話した。
「有り難いです、ボランティアの人達がサポートをしてくれて」
「それで、ですか」
「最近は殺処分をしなくて済む様になっていますが」
「そうなんですか」
「少なくともこの保健所では。保護してくれて」
保健所に収容されている生きもの達をというのだ。
「飼い主も探してくれていますが」
「それでもですか」
「引き取ってくれるなら」
それならというのだ。
「それに越したことはないです」
「そうですか」
「はい、ではどの子を家族に迎えてくれますか」
「飼い主募集で見た元繁殖犬のビーグル犬の娘を」
小塚は保健所の人に話した。
「引き取りたいですか」
「そうですか、では」
「はい、その娘のところに連れて行って下さい」
保健所の人にこう言ってだった。
小塚は妻そして息子と共にだった。
そのビーグル犬、白地で茶色と黒の模様がある垂れ耳の優しい目をした娘と会った。その犬は一家を見るとだった。
親し気に近寄ってきた、小塚はその娘を見て妻に話した。
「いい娘みたいだね」
「凄く大人しそうでね」
「賢そうだし」
「それなら私達もね」
「優しく家族に迎えよう」
こう言ってだった。
その犬を家に迎え入れてモカと名付けて一緒に暮らした、犬はモカと名付けられて犬小屋に入りそこで毎日三度のご飯を水を貰ってだった。
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