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ウルトラマンカイナ
女傑編 ウルトラガールズファイト 前編
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 テンペラー軍団との激闘から、約半年。それほどの月日を経た頃にはすでに、復興を果たした東京は平和という「日常」を享受するようになっていた。

 怪獣の出現、BURKの緊急出動、そしてウルトラマンの登場。かつては「日常的」だったその「非日常」が、今となっては「懐かしさ」すら覚えるようにまでなっていたのである。それほどまでに、大衆の多くは平和の到来を実感するようになっていたのだ。

 だが。ウルトラマンの力が不要とされる新時代が来たと言っても、この平和が未来永劫不変のものであるという保証などない。
 故にBURKは地球人類最後の砦として、より精強であらねばならないのだ。例えこの先何が起ころうとも、地球の明日は地球人の手で守り抜かねばならないのだから。

 ◇

 ――東京郊外にひっそりと放置されている、廃ビルの一室。薄暗いそのフロアに繋がるドアが勢いよく蹴破られたのは、日曜日の昼下がりのことであった。

「全員動くなッ! ウルトラ平和防衛局『BURK』の名において、貴様達を拘束するッ!」

 制式光線銃のBURKガンを手に怒号を上げる、BURK新隊長の駒門琴乃(こまかどことの)。新型の戦闘服からはみ出しかけている、Lカップの爆乳がたわわに弾むと同時に――その凛とした声が、フロア全体に響き渡る。

 そんな彼女の気勢にビクッと肩を震わせて反応したのは、数名の宇宙人であった。「三面怪人」の異名を取る宇宙人――ダダは、仲間達と顔を見合わせて狼狽えている。
 彼らの手元には掌ほどの大きさに「縮小」された、「生きた人間の標本」が握られている。テンペラー軍団の襲来に乗じてこの星に潜入していた彼らは、攫った人間を「標本」にして母星に送り届ける計画を企んでいたのだ。

 その計画を察知した琴乃は、彼らの潜伏先となっていた廃ビルの存在を突き止め、一挙に制圧するべく突入作戦を敢行しているのである。光線銃を握る琴乃の眼は、悪を許さぬ気高き「正義」を宿していた。

「どこまでも卑劣な奴らめ……! さぁ、大人しくその人達を解放しろッ! 投降するならばこちらも人道的見地に則り、穏便に母星に送還――ッ!?」

 だが、降伏を迫る琴乃に向けられたのは――ミクロ化器の先端部だった。そこから放たれた光線を咄嗟に回避した琴乃は、爆乳と巨尻を弾ませながら体勢を立て直し、BURKガンを構える。

「ちッ……! やはり、一筋縄では行かないようだなッ!」

 人間をミクロ化させるダダの専用兵器。その光線を浴びて縮小されてしまえば、琴乃も今の被害者達と同じ「人間標本」にされてしまう。
 その脅威に冷や汗をかきながら、決裂は避けられないと判断した琴乃は一切の情けを捨て、BURKガンで応射し始めた。廃ビルの一室を舞台に、激しい銃撃戦が始まったのである。


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