ゴーレム、頑張りました
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ムちゃんも、これきっと、喜んでるよ!」
「確かに楽しそうだよね」
ハルトは上蓋からルビーの指輪を取り外す。そのまま手慣れた動きで腰のホルスターに戻し、洋服ダンスにかけてあるヘルメットを手に取った。
「ハルトさん? こんな時間にどこ行くの?」
「見滝原南」
あっさりと答えたハルトの言葉に、可奈美は顔を青くした。
「何を言っているの? 今見滝原南に言ったら、今度こそフォーリナーと本気の戦いになっちゃうよ?」
フォーリナー。
あの美しくも危険なサーヴァント。蒼井晶に辿り着くには、彼女との戦いを避けては通れない。
「確かにそうだけど、でも蒼井晶のことが心配だし」
「でも、彼女のことは紗夜さんだって諦めるしかないって話してたよ? 依頼だって取り下げるって言ってたのに、どうして?」
「……蒼井晶は、聖杯戦争の参加者から生き残ったんだ。ちゃんと、元の生活に戻してあげたいよ。たとえ、またフォーリナーと戦うことになったとしても。……可奈美ちゃんは来ないでね。これはあくまで、俺の我儘でしかないから」
「ううん、私も行くよ」
すでに私服に着替えて戻って来た可奈美が、千鳥を持ってハルトの前に立つ。
「可奈美ちゃん……」
「私だって参加者だよ。ハルトさんと同じくらい、この戦いを止めたいって思ってるよ」
可奈美はハルトへ千鳥を突き出す。間近に見る彼女の愛刀は、紅の鞘が良く目立つ。
「もう一度言うけど、これはあくまで俺の我儘でしかない」
「だったら、付いて行きたいっていうのも私の我儘だよ」
可奈美が言い切った。
だが、ハルトはそれでもと首を振る。
「……俺がここにいない間、ファントムが来るかもしれない。特にガルーダは、可奈美ちゃんに懐いているし」
「それは……」
「可奈美ちゃんは一人でも十分強いでしょ? だから……俺は蒼井晶を助けたいから、こっちは任せたいんだ」
「……うん、分かったよ」
可奈美は渋々頷いた。
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