ゴーレム、頑張りました
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赤い顔で、可奈美は手拭いを抱き寄せる。
「や、やっぱりセクハラだよ!」
「そんな、ひどいっ! さっき思いっきり俺の大事なものを見られたのに!」
「えっ……ええっ……!?」
ハルトの反撃は想定していなかったのか、可奈美は目を白黒させた。
ハルトは得意げになって続ける。
「昨今は男女平等って謳われているのに、こういう時」
「ハ〜ル〜ト〜さ〜ん……!」
可奈美が呪ったような声で訴えかける。
ハルトは笑顔で誤魔化しながら、頬をかく。
「可奈美ちゃんも結構、可愛いところあるんだね」
「ひどいっ! ……って、その為に呼びに行ったんじゃないんだよ! ハルトさん、こっちこっち!」
可奈美はハルト手を引き、いつも使っている部屋のドアを開けた。
見慣れた、ラビットハウスでハルトが借りている寝室。太陽の光が差し込むそれは、もはやハルトにとって親しい場所になっている。
だが、一か所だけ、ハルトにとって見知らぬものが置かれていた。
「これは……?」
箱。
黒い側面と、その中心には赤いルビーを思わせる装飾。どこから調達したのか、金色の装飾の中心に埋め込まれたルビーの宝石は、とても美しく思える。
触ってみると、それは木や石でできたものとは違うように見える。この材質は、おそらくハルトが持ち合わせている魔法石。
「すごいでしょ! ゴーレムちゃんが作ったんだよ!」
可奈美が箱に顔を近づける。
すると、箱の蓋が開く。無数の穴が開いた上蓋の底に気を取られていると、箱の中にいた使い魔、バイオレットゴーレムの存在に気付くのに遅れた。
「ゴーレムが作ったの?」
ハルトの問いに、ゴーレムが両腕を上げながら応える。
「すごいよね! ハルトさんの指輪の箱だよ! ほら、指輪を入れて入れて!」
「う、うん」
ハルトは試しに、ホルスターに付いているルビーの指輪を外す。折角ならばと、ハルトは上蓋の底に付いている窪みに指輪を嵌めた。カチッという音とともに、指輪は上蓋にぴったりと収まった。
「おお、いいね。これ」
「でしょ!」
「でも……」
ハルトはキラキラした顔の可奈美、頭をクルクルと回転させ続けるゴーレムを見比べながら頬をかいた。
「ぶっちゃけ、指輪ってピンポイントに必要になるから、ここに収納しておくことができない……」
可奈美とゴーレムが同時に凍り付いた。
「まあ、寝るときとかの収納は便利だけどね」
ハルトはすぐさまフォローする。
「ほら、指輪って基本的には自作だからさ。新しい指輪を作るとき、結構整理整頓できるのは助かるかも」
すると、可奈美は目を輝かせ、ゴーレムもクルクルと頭を回転させた。
「やった! ほら、ゴーレ
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