ゴーレム、頑張りました
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それを説明する。
「や、やあ。可奈美ちゃん。俺今、着替え中……」
「きゃっ!」
可奈美ちゃんにしては可愛い声だな、とハルトは思った。
顔を真っ赤にしながら、可奈美は両手で顔を覆っている。見ていないかと思えば、指の合間からチラチラと明らかに覗き見ている。
「えっと……可奈美ちゃん?」
「見てない。私、何も見てないよ?」
「いや、見てるの分かってるから。指の合間から目見えてるから」
「見てない。見てないよ?」
と言いつつも、可奈美はその場から動こうとしない。
「……俺の下着姿とか、見てて楽しい?」
「見てないから……!」
「よく見るよく聞くよく感じ取るがキャッチコピーの可奈美ちゃんが何言ってるの」
「だってえ〜」
「とりあえず着替えたいんだけど……可奈美ちゃん、ドア閉じてもらってもいい?」
「じーっ」
「か、可奈美ちゃん」
「ハッ!」
可奈美は自分の顔がハルトの体に釘付けになっていることに気付き、慌ててドアを閉めた。
「せ、セクハラだよ!」
「いやさっきから何で俺が怒られてるの!?」
だが、可奈美は顔を真っ赤にしながらドアを閉め、ドタドタと音を鳴らしながら二階へ駆けあがっていった。
ハルトは改めて、ロッカーから私服を取り出し、慣れた革ジャンを羽織る。
そろそろ季節的にこの革ジャンはしまわないといけないかなと思いながら、ハルトは可奈美が待つ二階へ向かった。
途中の廊下で、これからバータイムのお勤めとなるラビットハウスオーナー、香風タカヒロとすれ違う。
「お疲れ様です。オーナー」
「お疲れ様。ハルト君」
ハルトの会釈に、タカヒロはにこやかに返した。
「なにやら可奈美君が焦った様子だったけど、何かあったのかい?」
「いえ、何も! 何もないです!」
ハルトは背筋を伸ばしながら、急ぎ足で階段を駆け上っていく。
「可奈美ちゃん」
「あ、ハルトさん……」
可奈美は、ハルトの顔を見るなり、「ええっと……」と人差し指同士を突き合わせる。
ハルトはそれを見て、「うーん」とわざとらしい声を上げた。
「俺一人が見られるってのも不公平だし、可奈美ちゃんにも脱いでもらうしかないかな?」
「えええええっ!? こ、今度こそセクハラだよ!」
可奈美はさらに顔を赤くする。
恥ずかしさのあまり、彼女は手に持った手拭いを投げつけた。ハルトの目元に投げつけられたそれに「ぐおっ!」と悲鳴を上げながら、それを取る。
「……可奈美ちゃん、もしかしてこれってさっきまで鍛錬したあと汗を……」
「うわあああああっ! 投げるもの間違えた!」
可奈美は階段から飛び降り、ハルトの手から手拭いを奪い取る。
さらに茹蛸のように
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