212 イスラムの戦士、サラディン
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本部の管制室。イマヌエルが三河口のいる地点を確認する。
「剣を狙う追っ手か・・・」
「健ちゃん、大丈夫かね?」
奈美子が甥を心配した。
「いや、機械が無力化されているとはいえ義教は以前、濃藤すみ子君達と交戦してやられている。その恨みも募っているから彼の部隊も編成を強化している筈だ」
まき子は別の点が近づいて来ているのを確認する。
「そういえば別の部隊が来ているわね。これはここの世界の人達ね」
「ああ、それはサラディンという戦士だ」
「サラディン・・・?」
「剣を取り返して本部に運んでいる者だな?」
サラディンと名乗った男は確認する。
「ああ、そうだ」
「ここまでよく耐えて来られた。アラーの力で撃退する!」
「何が『あらー』だ!馬鹿馬鹿しい!」
「馬鹿馬鹿しいと思うならば裁きを受けてみるがよい!」
サラディンの剣の聖力と義教の数珠の法力がぶつかり合う。
「南無阿弥陀仏!」
「神は偉大なり!」
三河口達は仏教の力とイスラム教の力が攻め合う姿を見て思わず息を呑んで見ていた。その時、三河口が我に返る。
「いかん、見てる場合じゃなかった!」
「ああ、そうだったな!俺達も戦わねえと!」
三河口は威圧の能力を出して義教の兵達に圧力をかけて湘木やサラディンの兵達に有利なように傾くようにした。義教の兵が次々と倒され、戦力を削がれていく。
「よし!」
湘木も斧で水の能力を駆使して激流を出し、水の槍となって兵を串刺しにしていく。冬田も怠ける訳にいかず、金属の能力を使って鋼の槍を無数に出して攻撃した。
「うおおおお!!」
「ぬおおおお!!」
義教とサラディンはぶつかり合い続けている。
「これで死ねい!」
「貴様ごときにあっけなく倒される私ではないぞ!」
「・・・、湘木、そっちの義教の兵は殆ど倒したか?」
「ああ!!」
「なら俺達もサラディンに加勢するぞ!」
「おうよ!」
三河口が威圧の能力を出した。湘木も斧を振る。
「・・・な!?」
義教の法力が弱まる。
「助太刀感謝する!」
サラディンの剣から雷が出る。
「うおおおお!!」
義教が黒焦げにされる。
「ムハンマドの力よ、この者を火獄の刑に処す事を願わん」
サラディンが唱えた。義教は更に燃えていく。
「まだ、まだ・・・!」
「悪あがきもいい加減にしろ!」
湘木が斧を振るった。炎の能力でサラディンの炎と混ざり合わせ、強力な炎を形成させた。そして・・・。
「私も手伝いましょう」
平安時代の歌人のような人物が現れた。
「何だ、貴様は・・・?」
その人物は雷雲を呼ぶ。そして落雷の攻撃が義教を襲った。
「があっ・・・!!」
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