第113話 上洛 前編
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が口を出してきた。
「そうだな。真悠、烏桓族のものと連携して、鮮卑族との交渉に当たれ。一度、幽州に向い、稟と風に相談するといい」
私が直接、鮮卑族との交渉を行いたかったですが、使者が勅書を携えている以上、上洛を優先するしかないです。
こんなときに朝廷の使者とは恨めしい限りです。
これで麗羽とのことをどうにかしなければならなくなりました。
憂鬱です。
麗羽に会いたいという気持ちは本心ですが、冥琳との件をどう打ち明ければ良いのかと苦悩します。
正直、既に麗羽の耳に冥琳が私の側室になったという情報が入っているのでないかと思っています。
ここは包み隠さず、打ち明けるしか道がないですね。
揚羽はどう思っているのかも気になります。
「義兄上、鮮卑との交渉に当たり、官位をいただけませんでしょうか?」
私の苦悩とは裏腹に、真悠は私に要望を伝えてきました。
「私は真悠の官職を剥奪したつもりは無かったのだがな。まあいい。元の官職「常山郡丞」に復官せよ。真悠、次はないと思え」
私の中では謹慎が明ければ、元の官職に復帰させるつもりでしたし、官職を剥奪すると一度も言っていませんが、彼女としては言質が欲しかったのでしょう。
「重々わかっております。流石に次は首が飛ぶことになると思いますので、自分の立場を考え行動いたします。汚名は結果にて漱ぐつもりでございます。鮮卑族の件は、この真悠にお任せください。必ずや義兄上のご期待に添うよう尽力させていただきます」
真悠は私の拱手を行い礼を述べました。
「ところで揚羽は元気にしているか」
「義兄上、私などに確認せず、ご自分の目で確かめなさいませ。労りの言葉でも姉上に掛けて差し上げれば喜ばれることと思います。姉上は謹慎が解けた後、今まででと変わらず義兄上のために朝廷の動向を探りを入れ、兵馬の増強、領内の整備にと日夜激務をこなしております」
真悠は困った人だなという表情で私を見ました。
「そうだな」
真悠のつっこみに私は何も言えず、ただ一言答えました。
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