第113話 上洛 前編
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
理でしょうね。
しかし、急いで交渉しても鮮卑族に足下を見られ、交渉に支障が出るかもしれませんので、ここは腰を据えて事にあたることにします。
誰を使者に出すかは冀州に戻り次第、揚羽に相談することにしましょう。
今後のことに頭の中で思いめぐらせていると、先陣を進む臧覇こと榮菜が馬を駆け、私の元に向ってきました。
彼女の後ろから遅れて馬を走らせるのは私の義妹・司馬馗こと真悠でした。
真悠が私に何の用なのでしょうか。
彼女が態々、真悠を寄越すとは余程急を要することなのは間違いないです。
急を要することといえば、現状、朝廷絡み位しか思いつきません。
陛下が病気に倒れたのでしょうか?
時期的にありえない話でないですが、気が重くなってきました。
陛下が死ねば、政争が激しくなるのは必定、私は表向き劉協派ですが、実際は劉弁派ですので立ち回りを誤ると命取りになります。
あの蹇碩を如何に始末するかが鍵になると思います。
蹇碩は放っといても死にそうですが、私は目下の心配は張譲です。
政争のどさくさで私が張譲の謀略に落ち、私が失脚することになるのでないかと心配しています。
都落ち程度ならいいですが、再起不能状態に追い込まれたら、来たる乱世を生き残ることができなくなります。
張譲は私と陛下の元、表向きは共闘していますが、あの男ははっきりいって信用できません。
百戦錬磨の宦官であり、陛下に「我が父」とまで言わしめた男です。
あの男に関しては慎重過ぎる位に用心することにこしたことはないです。
それに、以前、私が盧植を救うために動いたことで、張譲の顔を潰したことで私に恨みを抱いているはずです。
宦官の粘着質な根暗さは誰でも知っていることです。
必ず報復をしてくることでしょう。
黄巾の乱の時に張譲の悪知恵で冀州へ追いやられる結果になりましたが、張譲の思惑と外れ私が出世したことで、あの男が私に対して不愉快な想いを抱いているのは手に取るようにわかります。
救いは私が地方に追いやられたままでいることで、張譲が幾ばくかの溜飲を抑えていることでしょうか。
でも、それもいつまで続くかわかりません。
今の朝廷が存続し、張譲がのさばる限り、私の平安を脅かす可能性があります。
陛下が死に、蹇碩を血祭りに上げ、張譲を誅殺するのが私の生き残る道ですが、張譲には未だ生きていて貰わないといきません。
早々に張譲を誅殺すると、朝廷内の力のバランスが壊れ、何進様の力が強くなり過ぎ、朝廷が安定してしまいます。
朝廷が安定すれば、腐った組織が延命される結果となり、民が苦しむだけです。
今の朝廷を潰し、新たな枠組みを創ることが、私の目的である以上、張譲と何進様には未来を創るた
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ