第二百四十九話 全土に道と港をその三
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「そして鳴りもの入りで倒すならな」
「それならですね」
「そうした軍を送りな」
「倒しますね」
「そうする、そこで何もしないなぞな」
「絶対にですね」
「しない」
謙二に強い声で答えた。
「俺はな」
「政を行うものとして」
「そうする、兎角獣や魔物もな」
「警戒しつつですね」
「村に結界も張らせてな」
そうしたことも行いつつというのだ。
「拓いていくぞ」
「そうしますね」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「蝦夷を豊かにする」
「ここは豊かになります」
謙二は断言した。
「間違いなく」
「拓けばな」
「寒冷ですが」
そうした地域だがというのだ、寒冷であるということはそれだけで農業即ち産業の根幹に非常に影響するのだ。作物が育ちにくいからだ。
「しかしです」
「それでもな」
「土壌はよく」
「尚且つ周りは湖でな」
「魚介類も豊富でまた酪農にも適しているので」
そうした地だからだというのだ。
「ですから」
「政に力を入れるとな」
「間違いなくです」
「豊かになるな」
「そうなります」
「それで小樽や函館の港はぜよ」
当季はそうした場所の話をしてきた。
「本土と商いをしてぜよ」
「富を生むな」
「そうなるぜよ」
まさにというのだ。
「だからぜよ」
「尚更いいな」
「そうぜよ、商いをすればぜよ」
「富つまり金を生む」
「それも力になるぜよ」
「そうだな、ではな」
「蝦夷の特産品もぜよ」
こちらもというのだ。
「売ってぜよ」
「本土の品もな」
「蝦夷に入れてぜよ」
「商いをさせてな」
「余計に豊かになって」
そうしてというのだ。
「そしてぜよ」
「力を得るな」
「蝦夷の政にはかなりの銭がかかっちょるが」
「それは返ってくる」
「倍になって返ってぜよ」
投資したその分がというのだ。
「さらにぜよ」
「富を生むな」
「そうなるからぜよ」
だからだというのだ。
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