第六話
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宗様がかなり嫌そうな顔をして舌打ちをしていた。
小十郎のことは好きだけど、そういうことをする相手にはしたくないみたいで、お陰様でそれで政宗様の相手をすることを免れてる。
ちなみに幸村君はあんまり抵抗が無いのか実感が湧かないのか、
平然とキスしたりしてくるから小十郎に切り替わった後に必死で口を洗ってるのが、まぁ、笑えるもんだ。
「じゃあ、今日はここで寝ろよ。別に襲ったりしねぇから」
あ、そこが妥協点なのね。抱くのは嫌だけど、一緒に寝るのはアリだと。
まぁ……一緒に寝るくらいならいいか。何かあったら小十郎に即代わってやればいいし。
布団に入る私に、政宗様がやはり灯りを消さずに布団に入ってくる。
どうして灯りを消さないのかと思っていると、苦笑して私の方を向いてきた。
「……クリスマスの晩はな、いつもこうやって灯りを点して寝るんだ。親父が来ても、すぐに分かるように、ってな」
「政宗様」
「もう来やしねぇってのは分かってんだけどよ、それでもうっかり現れたりしねぇかって思ってんだよな。
……毎年欠かさず、俺のところに来てくれたから」
政宗様、と小十郎が呟いている。小十郎も私も考えることは同じ、この人普段は口には出さないけど本当はお父さんに会いたいんだ。
なんか可愛いところあるんだな、なんて思いながらさっさと寝ようとしていたところで不意に部屋の入口から気配を感じて身体を起こした。
政宗様も気付いているようで、構えていたけれども政宗様を御守りするのは私と小十郎の役目。
「六爪借りますよ」
軽く断りを入れて政宗様の六爪のうちの一本を抜き、部屋の前の気配が仕掛けて来るのを待つ。
小十郎は頭の中で勝手に拝借するなどと、と怒ってるけど、んなこと気にしてる場合じゃない。
大事なのは政宗様の身の危険を守ることだもんね。
いつまでも入って来ない気配に痺れを切らしてこちらから仕掛けてやろうと思いきり戸を開ける。
その瞬間冷たい空気が部屋の中を駆け抜けて、それきり気配も何も感じなくなってしまった。
「……立ち去った、のかな?」
誰かがいる気配はもう感じられない。
こちらに気付かれたから立ち去った、そう考えて間違いなさそうな気がするけど……一体何だったんだろう。
姉上、小十郎の声に私は視線を足元に向ける。そこには三つの包みが置かれており、私はそれを抱えて部屋に戻る。
戸をしっかりと閉めて政宗様の前に置くと、政宗様も訝しがって包みを開けてみるようにと言う。
一体何だろ。まさか、開けた瞬間どっかーん、とか……いや、流石にそれはないか。
現代ならそういうこともあり得るだろうけど、そういう技術はないもんね。
とりあえず包みを全部開いてみて、中から出てきたも
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