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レーヴァティン
第二百四十九話 全土に道と港をその二

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「そして羆は気性が荒いです」
「ツキノワグマと比べてな」
「ツキノワグマも強いです」
 この熊自体もというのだ。
「決して侮れないまでに」
「その通りだ」
 英雄も否定しなかった。
「だから油断出来ないが」
「しかしです」
「羆はそのツキノワグマよりさらに強い」
「小さな村では壊滅しかねません」
 羆に襲われればというのだ。
「こちらの世界でも」
「起きた世界でもそうだしな」
「人が多いとです」
「羆は最初から来ない」
「勝てないと思って」
 それでだ。
「数が多いこと自体がです」
「まさに守りだ」
「だからですね」
「小さな村は拓かせない」
 このことも考えてというのだ。
「そうしている」
「左様ですね」
「そうだ、だからな」
「獣や魔物にも対することが出来ます」
「魔物の方が恐ろしいが」
 それでもというのだ。
「羆を見てもわかる」
「獣も恐ろしいですね」
「獣害というが」
 この世界でもこの言葉は存在している。
「無視出来るものでなく」
「事前に防ぐ為にですね」
「村もな」
 これもというのだ。
「出来るだな」
「最初から大人数でいるべきですね」
「そうすれば襲われないからな」
「それ故に」
「大人数でいるべきだ、まして野獣の様な奴ならだ」
 英雄は鋭い目になって言った。
「人が多ければ多い程いい、そしてすぐに軍もな」
「送りますね」
「あの野獣の様な奴ならな」
「ジェヴォダンの野獣ですね」
「ああした奴も出て来る」 
 ルイ十五世の時代に多くの者を襲い殺した野獣だ、その習性は狼のものではなく間違いなく他の種類のそれも特異な獣であった。
「その時はな」
「軍を送って」
「そのうえでな」
「倒しますね」
「その獣に相応しい軍をな」
「隠密裏に倒すならですね」
「そうした軍を送りな」
 そうしてというのだ。
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