第二十二話 身体が丈夫ならその一
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第二十二話 身体が丈夫なら
理虹はこの時家にいた、だが彼女は不機嫌な顔でテレビを観ていた。
「全く、今日は駄目駄目ね」
「これは負けるわね、阪神」
一緒に観ている妹の実加が応えた、理虹と非常によく似た外見だが髪の毛は奇麗な烏の濡れ羽色である。中三でソフト部に所属している。
「相手ピッチャーの調子いいから」
「石川さん今日は絶好調ね」
相手はヤクルトで投げているのは彼だった。
「もうこれはね」
「一点取れるかしら」
「無理ね、ここんところ七連勝だったのに」
「これで連敗ストップ?」
「でしょうね、やれやれよ」
「まあ七連勝してるし」
実加は同じソファーに座って右隣に座っている姉に話した。
「首位独走だしね」
「今シーズンもね」
「だったらね」
それならというのだ。
「一敗位はね」
「いいっていうのね」
「まあ今日は仕方ない」
負けることもというのだ。
「たまにはね」
「いいっていうのね」
「流石にずっと勝ちっぱなしはね」
「ペナント全試合勝つとか」
「そう言うのは無理よ」
「そうだけれどね」
理虹もそれは当然だと返した。
「やっぱり」
「それに今シーズン阪神主力に怪我人いないじゃない」
「そうよね」
それはとだ、理虹も応えた。
「有り難いことにね」
「結構誰か大なり小なり怪我するわよね」
「どうしてもね」
「それがないしね」
「万全に戦えるから」
「余計にいいと思うわ」
「じゃあ次の試合からまた勝てるかしら」
理虹は石川に手も足も出ない今日の阪神打線を観つつ述べた。
「そうかしら」
「そこまでわからないけれど優勝はね」
「今シーズンもなのね」
「出来るでしょ、巨人には圧勝ばかりしてるし」
「あそこには勝って当然でしょ」
理虹は妹に即座に返した。
「あそこはもう弱いにも程があるから」
「毎年百敗以上してるしね」
「勝率一割台でね」
「だったらっていうのね」
「あそこには勝って当然じゃない、怪我人だってね」
こちらもというのだ。
「巨人異常に多いし」
「毎年凄い出てるわね」
「あれはないわ」
流石にという口調だった。
「あの怪我人の多さは」
「あれ練習とか試合で気が入ってなくてね」
「それでなの」
「怪我人が多いってね」
その様にというのだ。
「部活の先生言ってたわ」
「ええと、岡本先生だったわね」
理虹は部活の先生と聞いてこう言った、実加は八条学園中等部彼女が通っていた中学の後輩でもあって女子ソフト部のことも知っていて言ったのだ。
「そうだったわね」
「そう、岡本先生がね」
中年の女性である彼女がというのだ。
「そう言ってるわ」
「練習とか部活の時は
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