真実は時に残酷で
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も姿を消した。
「聞こえるか?琴里」
ズボンに着いた砂埃を払いながら士道は立ち上がる。そして、インカムに向かって声をかける。
『やっと反応したわね、バカ!!今後は直ぐに返事しなさい!さもないとアンタの全黒歴史を世界中に流すわよ!』
グワァンッと琴里の怒声が士道の耳に響く。あまりの大きさに鼓膜が破れたんじゃないかと錯覚してしまう。それはともかく、黒歴史を世界中に流されるのは流石に死にたくなる士道は必死に琴里を宥める。暫くして、何とか怒りを鎮めてくれた琴里は士道に現状起きている事を全て分かりやすく伝える。あの見知らぬ精霊の正体や、十香と〈鏖殺公〉について、四糸乃の居場所等を。
「暁夜が・・・精霊!? どういうことだよ!アイツはどう考えたって人げ−−」
士道は最後まで言葉を言いきれなかった。ふと思い出したのだ。彼がいつもASTが装備しているCR−ユニットを使用せずに十香やリンレイと戦っていた事を。その理由が精霊の力を持っているからだというのなら納得ができる。ならば何故、彼は憎んでいる精霊の力を手にしたのか。それは暁夜自身から聞き出すべきことなのだろう。いや、聞くべきだ。
(アイツを・・・救うにはそれしかない)
士道には暁夜の本心なんて分からない。これがエゴだと言われたら否定できない。ただエゴだとしても、親友の暁夜にこれ以上、血で手を染めて欲しくない。
「なぁ、琴里。暁夜の居場所は分かるか?」
『えぇ、一応ね。それで?もしかして彼も救いたいとか強欲なこと言わないわよね?』
琴里の言葉に、士道は苦笑いする。流石は妹というべきか。兄の気持ちを察するのが得意だ。
「はは…悪いな、琴里。俺は四糸乃も暁夜もどっちも救いたいんだ」
『はぁ…。いい?両方救うなんて絵空事は誰でも口に出来る。でも、両方を本当に救える人なんてその中のごく少数の人間だけよ』
それは士道も理解している。戦う力なんて自分にはない。あるとすれば不思議な治癒能力と精霊の力を封印することだけ。だからといって諦める道理にはならない。1人で無理なら、2人で。二人が無理ならその倍だ。要するに全部救いたきゃ、その絵空事を叶えれるだけの仲間に頼ればいい。
「確かに俺だけじゃ無理だ。でも俺には、十香やフラクシナスの皆、そして頼りになる妹がいるだろ?だから、1人じゃなんも出来ないお兄ちゃんを助けてくれないか? 琴里?」
『・・・・・』
士道の言葉に琴里は歯噛みする。自分から士道を精霊対処の為に利用したとはいえ、辛くないわけが無い。暁夜との対話の時に、『平気なのか?』と問われた時、『平気』と答えた。然し、それは嘘。
(大好きなお兄ちゃんを危険な目に遭わせて平気なわけが無いでしょ)
琴里はあの時のこ
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