暁 〜小説投稿サイト〜
デート・ア・ライブ〜崇宮暁夜の物語〜
真実は時に残酷で
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たのか。どちらにせよ、GPSマーカーは見知らぬ精霊の元から微動だにしていない。という事はこの精霊が暁夜を見つける手がかりとなる。折紙は息を吸い、そして吐く。身体を支配する恐怖心を誤魔化すように。落ち着かせるように。

「・・・・」

折紙はその場から微動だにしない見知らぬ精霊とその付近を観察する。そして見つける。暁夜の手掛かりを。最悪な形で。

「アレは−−私があげた…」

見知らぬ精霊の腰帯に引っ掛かっている銀色の欠けたハート型のネックレス。それは折紙にとって見覚えのある物。暁夜とのデートの日にプレゼントした自身が持つハート型ネックレスの片側。血が付着しているものの見間違えるわけが無かった。然し、それでも折紙は見間違いだと思いたかった。でなければ、最悪な答えが真実となってしまうから。

「・・・あの精霊が−−」

嘘だと言って欲しい。そう信じて。

「−−暁夜を?」

その問いかけに。見知らぬ精霊は何も答えない。もう興味はないと。その場を離れていく。遠さがっていく。目的地が何処なのかは折紙には分からない。ただ、残酷にも最悪な答えは真実となる。
見知らぬ精霊の腰帯に引っ掛かっていたアクセサリーが落下する動きと共にGPSマーカーも動いているという証拠として。

?

遡ること数分前。士道は尻もちをついた状態で先程の光景を思い出していた。前に建物内で殺そうとしてきたノルディックブロンドの女性と親友の暁夜の仲間割れ。そして、四糸乃の天使による冷気の奔流と黒い球体。更には消えた暁夜と入れ替わる様に現れた見知らぬ精霊。それに存在しないハズの〈鏖殺公(サンダルフォン)〉の出現と〈氷結傀儡(ザドキエル)〉を操り、逃げ出した四糸乃。余りにも濃い出来事が数分の間に起きすぎて、頭の整理が追いつかない。耳元のインカムから妹の琴里の声が聞こえてくるが、何を言っているのか分からない。それ程に情報量が多過ぎた。そんな彼の元に身体の要所が美しい光の膜で揺れている十香が降りてきた。

「シドー!」

士道は自身の名を呼ばれて、ハッと目を見開いた。

「えっと・・・十香? お前…その姿」

「ぬ?」

士道の言葉に、十香は目をぱちくりとさせて自分の身体に視線を落とした。

「おお!? なんだこれは! 霊装か!?」

指摘されて初めて自分の様子に気づいたらしい。十香が驚きの声を上げる。そしてしばしの間、光の膜を興奮した子供のように触った後、ハッと顔を上げて、士道へと視線を戻してきた。

「そんなことより−−シドー、無事か?怪我はないか?」

「あ・・・ああ」

士道は突然消えた親友の背中を思い浮かべながら答えた。あの時、暁夜が駆け寄ってきた気がしたのだが、視界がはれた頃には彼の姿はなく、後に現れた見知らぬ精霊
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