暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
迷宮への落とし穴
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め〜ん!!」
「大丈夫大丈夫!!」
「まだまだこれからだよ!!」

強がっているようにも見えるが決してそれだけではない。本当に勝負はここからだと言わんばかりに声が出ているのだ。これには町田は驚かざるを得ない。

(なんだ?まさか今まで通りここからのイニングを0で抑えられるとでも思ってるのか?)

マウンドに向かうソフィアはこれまでの4試合2回以降の失点はない。それどころかヒットも準々決勝で桜井に打たれた1本のみ。しかしそれは彼女たちがノーマークだったから。この準決勝……ましてや優勝候補を下している状況でこれまで通り戦わせてもらえるはずがない。

(二回以降の攻撃……監督が何も策を講じていないわけない。それで抑えられるほど甘くないはずだ)
















「リュシー、まだ慌てる必要はねぇぞ。仕掛けるのは四回だ」

彼の言葉に頷いてから守備へと向かう背番号2。彼女が到着するとその妹は初回よりも体重が乗り切ったボールをミットへと投げ込む。

(あちらさんはソフィアが打てない理由に気が付いてるか?まぁ、こればっかりは打席に立たなきゃわかんねぇ。気付いた時には試合が終わってる。そう言うピッチングなんだからな)

攻撃前の円陣を組んでいる相手ベンチを見ながら不敵な笑みを浮かべる。彼の頭の中にはいかにして得点を奪うことしかなかった。

(次もまだ我慢だ。勝負は予定通り四回。ここで試合を決める点数をいれてやる)
















「ここからが本番だからな、お前ら」

明らかにピッチが上がってきている相手の投手を全員で見ながら真田はそう告げる。その事は前日から伝えられていたこともあり少女たちもよくわかっていた。

「比率はストレートの方が高い。ただコーナーに決めているのかヒットが生まれていないのも事実。早打ちはしなくていい。球数が嵩めばどこかで失投が必ず来るはずだ。そこを狙い打つぞ」

大量得点を狙うことは厳しい。それだけいい投手であることは誰の目からも明らか。それを理解した上で指示を出さざるを得ない。

「ストレートのタイミングに合わせておけ。スプリットは三振しても構わない。捨てていけ」

狙い球を絞り選手たちを送り出す。まず打席に入るのは二年生の明里。

(球種はストレートとスプリット。ここまでわかりやすいピッチャーもなかなかいないよね)

プロ野球のストッパーのような少ない球種で勝負をして来るピッチャー。高校野球ではそのような投手もいるが、基本的にはストレートとスライダーの組み合わせになるためこの手の投手は珍しい。

(ベルト高のストレートは振っていこう。低めは捨てていく)

普段通りの構えで打席に入る
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