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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
ほんへ
始まりの章-世界は終わった、しかし物語はここから始まる-
多忙探偵
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な出来事に付き合いたくねーんだけど。

「あれどうしたんすかね。」

ともかく状況が分からない。
俺は隣にいた見知らぬ人に小声でそう話しかけた。

「部屋が空いてないからキレたんだ。いきなり天井に発砲して、もうずっと膠着状態が続いてる。」
「えぇ…」

部屋が空いてないから武力行使に出たってとこか。
てゆうかほか当たれよ。別の宿泊施設だってこっからそう遠くはないだろ。
なんて思ってたが

「満室で断られたの、ここで七件目らしい。」

あ、多分俺でもキレるわ。
どこもかしこもそりゃあ満員だろうな。それにだ、

「どいつもこいつもサーヴァント連れ歩きやがって!!おい!!追加だ!!俺にサーヴァントを寄越せ!!この人質と引き換えだ!!」

どこもかしこもサーヴァントを連れたマスターでいっぱいだ。
そして人質をとっているデブはいない。
皆にはいて、自分にはいない。
そういった事もあり相当イライラしてたんだろう。

「ともかく人質を取られている以上サーヴァントでもどうしようも出来ない。何か打開できる状況があれば…!」
「おいそこ!!何ヒソヒソ喋ってんだ!!」
「!!」

と、俺たちの方へデブが拳銃を向ける。
そうか、打開策か。

「あー、ちょっといいすか?」
「な、なんだてめぇ!!」

すっと立ち上がり、俺は両腕を上げてスタスタとやつの方へ近付く。

銃口は勿論俺に向いている。
しかし怖くあるもんかよ。今日で何回も死ぬ思いしたんだ。
感覚が麻痺してんのか知らねーけど拳銃ごときでビビんねーんだわこれが。
それにだ。
こいつに人は撃てない。

「お、おい!!それ以上近付くな!!止まれ!!」
「…。」

震える手元。
ブレる銃身。
こいつの場合、拳銃なんて今まで撃ったことがないんだろう。
だから撃てない。きっと、人を傷つける度胸なんてない。


「お望みのものは金と、部屋と、あとサーヴァントだったっけ?」
「お、おおそうだよ!!今すぐよこしやがれ!!じゃないとこの女が」
「やるよ。俺の刑部姫。」
「………え?」

男が固まる。
後ろからはおっきーのとんでもねぇ声。

「ま、まーちゃん!?マジで言ってんの!?ねぇ!!」
「ああ、マジもマジ。大マジだぜ。刑部姫(こいつ)程度で人の命が救えんなら安いもんだ。くれてやるよ。」
「まーちゃん!!!??!?!??!!!」


親指で後ろにいるおっきーを指し、あげるという意思を示す。
振り向いてみれば案の定そこにはなんとも言えねぇ表情のおっきーが。

しかし、

「あーはい。わかりました。姫もこんな早漏なマスターは勘弁だったからねー。」

足をパンパンとはたき、よっこいしょと立ち上がるおっきー。
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