第三話
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きな袋を担いだ、妙な着物を纏った二人組……まさか、賊!?
私が飛び起きようとした瞬間、一人がつけた灯りの火に照らされたその顔を見てとんでもない悲鳴を上げてしまった。
「泣く子はいねがー」
「ちょっ、な、何でなまはげがこんなとこいんのよ!! てか、そんな赤い着物着て赤い頭巾着けて……何処の賊だっての!!」
「違ぇどー、おら達は“さんた”だー」
そんな東北訛りで強面のサンタが二人もいてたまるか!!
私は思いきり重力の力を使って怪しい二人を吹き飛ばしてやる。
こんな騒ぎに小十郎が目を覚ましてゆっくりと身体を起こしていたけど、それに構っている余裕は無い。
不届きな賊を捕らえて縛り上げないと。
小十郎の部屋にあった刀を持って部屋の外に飛び出したところで、賊の一人が慌ててもう一人の賊を助け起こしている。
「て、輝宗様! 御無事ですか!?」
「うむ、大事ない……“さんた”というのはこういうものではなかったのか?」
なまはげの面を外して立ち上がった二人は輝宗様と綱元殿で、思わぬ人物に開いた口が塞がらない。
一体こんな時間に二人して、どうして小十郎の部屋にいたんだか。
そもそもその怪しげな格好は一体何だっての。いや、それよりも、家臣としてやらなければならないことはだ。
「……二人とも、部屋に入って来てそこに座りなさい」
刀をしっかりと持っている私を見て、二人が怯えたような顔をする。
言っておくけど、私の姉は伊達家最強と言われた女、その女と血の繋がった兄弟なわけですよ?
こんな悪戯をしてただで済むと思ってんじゃないでしょうねぇ?
小十郎が眠っているとなりで珍妙な格好をした二人の男を正座させて、
それからがっつり二時間ばかり説教したのは語ると長くなるから割愛するけど、本当輝宗様って時折訳の分からないことやるから困るのよね。もう。
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